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Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg
Cojp

ゴールドマンやBofA、「失われた10年」の新興国株に妙味との見方

  • 商品相場高や企業利益の伸びが強気ムード高めている
  • ワクチン接種の前進で新興国市場は遅れを取り戻す見通し

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商品相場高や企業利益の伸びが新興国株に対する強気ムードを高めている。新興国株のアンダーパフォーマンスは10年余り続き、先進国株に対する相対パフォーマンスの指標が20年ぶり低水準に接近している。

  ゴールドマン・サックス・グループやバンク・オブ・アメリカ(BofA)、ラザード・アセット・マネジメントは、新型コロナウイルスワクチンの接種が前進し、パンデミック(世界的大流行)からの世界経済の回復を後押しすれば、投資家が割安なバリュエーションに乗ろうとすることで新興国株が押し上げられると予想。中国当局による締め付けがアジア株の重しとなる中でも、南アフリカ共和国やロシア、ブラジルは恩恵を受けるとみられている。

  世界金融危機後の10年間を見ると、新興国株の指標であるMSCI新興市場指数の上昇率がわずか8%だったのに対し、先進国株の指標は2倍余りとなった。2010年には10%を上回っていた中国の経済成長率が10年代の終わりには6%前後に鈍化し、商品価格の下落と利益の伸び悩みを招いたことなどが要因だ。

Emerging-market stocks approach a 20-year low versus developed nations shares
 
 

  パンデミック発生後、株価は当初、20年3月の安値から幅広く力強く回復したが、新興国株は先進国株の指標であるMSCIワールド指数に出遅れてきた。ワールド指数の21年初め以降のリターンが14%前後なのに対し、新興市場指数は5%のマイナスとなっている。

  こうした状況は、中国や米国のインフラプロジェクトにけん引されて世界経済の回復に弾みがつき、物価上昇と堅調な原材料価格が続くことで今後数カ月で変わる可能性がある。

  既に転換を迎えたことを示す兆候もある。BofAによれば、東欧や中東、アフリカの新興国株式市場への資本流入は3月以降に加速しており、債券ファンドへの資金流入と比較すると、14年以降で最も強くなっている。投資家がバリュー株にシフトしているという。

  BofAのクロスアセット・ストラテジスト、ジュール・ジェリック氏はリポートで、これまではエネルギーセクターが最も大きく恩恵を受け、ロシア株が支えられているが、金融や素材などのセクターへの資金フローが増える余地があり、素材分野では南アに追い風となるだろうと指摘した。

  ゴールドマン・サックスの新興市場クロスアセット戦略チーム責任者、シーザー・マースリー氏は、平常への回帰が全般的にまだ相場に織り込まれていないと分析。同氏のチームはブラジルとメキシコ、ロシアの株式・通貨を選好している。

EM stocks are at the cheapest relative to DM in 15 years
 
 

  ラザードによれば、新興国の21年の国内総生産(GDP)伸びは先進国に後れを取ってきたが、先進国の経済活動が鈍化し始め、商品価格が上昇する中で、10-12月(第4四半期)にも状況が変化し始める可能性がある。

Fed balance-sheet expansion was the key differentiator for U.S. stocks
 
 

 

原題:Goldman Sachs, BofA See Lost Decade Over for Emerging Markets(抜粋)

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