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アジア発の供給ショック、世界に波及も-デルタ株の感染急拡大響く

  • ホリデーショッピングシーズンに向け通常なら出荷増の時期に混乱も
  • 中国は寧波舟山港を部分閉鎖、東南アジアは生産に支障-感染拡大で

世界の工場であるアジアでは、新型コロナウイルスの感染再拡大でサプライチェーンの障害が悪化しつつある。

  初期の感染拡大の波は他の地域よりもうまく乗り切ったものの、デルタ変異株の急速な拡大で、これまでコロナ封じ込めで成功してきた国々で工場や港が混乱に陥っている。

  クリスマスのホリデーショッピングシーズンに向けて通常なら出荷が増える時期に、アジアの混乱が世界のサプライチェーンに波及する恐れがある。国連の推計によると、同地域は世界の輸出の約42%を占める。

Views of Ningbo Container Port Ahead of the China International Import Expo

中国の寧波舟山港(2018年)

  アジアの港に端を発する問題が徐々に広がり、ロサンゼルスやロッテルダムなどでの遅延や消費者物価上昇といった形で現れる可能性がある。

  コンテナ不足で輸送コストが高騰しているほか、需要急増の中で半導体などの原材料価格が上昇し調達が困難になる中、輸出業者の苦境はさらに深まっている。

  シンガポールに本拠を置くアジア貿易センターのデボラ・エルムズ所長は「デルタ変異株の感染拡大でアジアの貿易は著しく混乱する公算が大きい」と予想。「これまでのところ大半の市場はコロナ禍を乗り切ってきたが、感染拡大が続くのに伴い、多くの地域でそうした幸運な状況は終わりを迎える可能性が高い」と述べた。

Uncontained Price Rises

Cost of shipping goods from China continues to soar

Source: Drewry World Container Index

Note: Shows benchmark rates to ship a 40-foot box

  
  中国は最近、世界3位のコンテナ取扱量を誇る寧波舟山港を部分閉鎖した。世界でも感染拡大が著しい東南アジアの工場では電子機器や衣服など多くの製品の生産が滞っている。

  コロナ禍に見舞われたアジアの貿易主導型経済を支え、より広範な回復を促すとの期待をもたらした輸出ブームは危機にひんしている。

  一方で、供給の停滞で中国の生産者物価や米消費者物価の上昇が一時的なものでは終わらない懸念が強まりそうだ。近々物価は落ち着いてくるとの政策担当者の見通しが試されることになろう。

Trade Boom

Goods exports from Asia have been at records so far in 2021

Source: Official data compiled by Bloomberg

  コロナを一切容認しない政策を掲げる中国は、寧波舟山港での労働者1人の感染を受け、梅山ターミナルで入港・出港とも全てのコンテナサービスを11日から停止した。

  東南アジアでは、7月の製造業活動を測る指標が活動縮小を示唆。主要輸出業者が工場を稼働し続けるのが難しくなっており、域内の弾力性のある貿易にもコロナの打撃がついに及びつつある可能性が示唆された。

Southern Slowdown

Manufacturing hit as delta spreads across Southeast Asia

  ナティクシスの試算によると、インドネシアとマレーシア、フィリピン、ベトナム、タイが世界の輸出に占める割合は計5.7%にすぎないが、特に電子機器の輸出で米国や中国などの大国に大きな影響を与える可能性がある。この5カ国からの中国の輸入はデータ処理装置が38%、通信機器は29%に上り、米国は半導体輸入の半分を依存している。

原題:Supply-Chain Shocks Keep Hitting the World’s Factory Floors (1) (抜粋)

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