【米国市況】S&P500また最高値、取引レンジは小幅-ドル上昇
Lu Wang (News)、Natalia Kniazhevich1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。
12日の米株式市場では、S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均が最高値を更新した。S&P500種は小幅なレンジで推移する中でも、今年47回目の最高値更新を遂げた。米国債利回りは上昇。
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ヘルスケアおよびテクノロジー銘柄を中心とした買いがS&P500種を押し上げた一方、エネルギーや素材関連は下落した。S&P500種は今月に入り1日の変動率が平均0.5%と、2019年11月以来の小幅な動きにとどまっている。モルガン・スタンレーが投資判断と目標株価を引き下げたマイクロン・テクノロジーは大幅下落し、半導体セクターへの重しとなった。
S&P500種は前日比0.3%高の4460.83。ダウ平均は14.88ドル(0.1%未満)高い35499.85ドル。ナスダック総合指数は0.4%上昇。

ゴールドマン・サックス・グループのストラテジスト、デービッド・コスティン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「バリュエーションの観点で見ると、株式相場は金利に照らして妥当な水準にある」と語った。
米国債は下落。米新規失業保険申請件数が3週連続で減少したことなどが背景にある。ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.36%。年限長めの国債は30年債入札の後に日中安値をつけた。
外国為替市場ではドルが上昇。米失業保険申請件数の減少や生産者物価指数(PPI)の市場予想を上回る伸びを受け、米国債利回りと共に上向いた。一方、オーストラリアとニュージーランドの通貨は下落。新型コロナウイルス懸念の再燃が重しとなった。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇。ドルは対円では前日比ほぼ変わらずの1ドル=110円41銭。ユーロは対ドルで0.1%安い1ユーロ=1.1730ドル。

ニューヨーク原油先物相場は3日ぶりに小反落。新型コロナ変異株の感染拡大が、世界の燃料需要に年内どの程度影響を及ぼすかを見極めようとするムードが広がった。
国際エネルギー機関(IEA)は年内の世界石油需要見通しを「大幅に」下方修正した上に、2022年には再び供給過剰に陥るとの予測を示した。
アゲイン・キャピタルのパートナー、ジョン・キルダフ氏は「IEAデータが示した供給過剰見通しはややショックで、投資家は将来的な過剰供給の可能性に留意している」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は16セント(0.2%)安の1バレル=69.09ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント10月限は13セント下落して71.31ドル。
ニューヨーク金先物相場は小幅に反落。この日の米経済指標でインフレ圧力の高まりと労働市場が堅調さを増しつつあることが示され、ドルがしっかりとなったことが影響した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.1%安の1751.80ドルで終了した。
原題:Stocks Set Another Record as Trading Range Narrows: Markets Wrap(抜粋)
USTs Hold Losses After 30-Year Sale; Stocks Hit New Record High(抜粋)
Dollar, Treasury Yields Climb After Economic Data: Inside G-10(抜粋)
Oil Dips as Traders Weigh Delta’s Impact on Global Demand(抜粋)
Gold Slips as Dollar Firms After U.S. Inflation, Labor Reports(抜粋)