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ソフトバンクG、4-6月期純損失の可能性もー出資先企業の株価下落

  • 韓国クーパンの時価総額、株式公開時から約1兆4000億円目減り
  • 今後はインドや米国などの投資回収に期待、中国は留意とアナリスト

ソフトバンクグループは、10日に4-6月(第1四半期)決算を発表する。韓国や中国などの出資先企業の株価が下落したことなどから、純損益は5四半期ぶりに赤字となる可能性もある。

SoftBank's Son
ソフトバンクGの孫社長
 

  ソフトバンクGが約36%の株式を保有する韓国の電子商取引大手クーパンは、3月にニューヨーク市場へ新規株式公開(IPO)した。公開価格の35ドルに対し初値は63.5ドルとなり、時価総額は約9兆円まで拡大。その後株価は反落し、直近の時価総額も公開時から約1兆4000億円目減りしている。

  ブルームバーグが集計したアナリスト予想の平均では、ソフトバンクGの第1四半期の純損益は1745億円の赤字となる見通しだ。

  SMBC日興証券の菊池悟アナリストは、第1四半期は1690億円の純損失になったと予想する。前期拡大した資産価値は、「投資先の株価下落によって22年3月期に入り縮小傾向」と指摘。ただし、今後は中国以外でのIPOも増加する見通しで、「再び拡大傾向になる」との見方を示している。

  シティグループ証券の鶴尾充伸アナリストは、純損益の予想値を出していないが、ビジョン・ファンド(SVF)の損益については250億円の赤字を想定。クーパンなど複数の企業で評価損失が拡大した半面、一部の新規上場企業の利益計上で補い、損失は比較的少額にとどまったとみている。

ソフトバンクGの主な保有銘柄(韓国・中国・米国・ドイツ)
 上場3月末時価総額   6月末時価総額   減少額SBG保有率
クーパン2021年3月856億ドル725億ドル131億ドル  36%
貝殻找房2020年8月 675億ドル568億ドル107億ドル12%
ウーバー・テクノロジーズ2019年5月 1014億ドル941億ドル73億ドル10%
アウトアインス             2021年2月 103億ユーロ78億ユーロ25億ユーロ16%

  野村証券の増野大作アナリストも第1四半期の純損益予想は公表していないものの、SVF1号と2号、本体投資合計の上場・上場公表企業の公正価値は4月から7月27日までの累計で78億ドル(約8600億円)の税前損失だったと分析。今後はインドや東南アジア諸国連合(ASEAN)、米国など中国以外の投資回収に期待する一方、規制の動きが強まる中国での回収には留意が必要だという。

  ソフトバンクGは前期(2021年3月期)決算で、投資先企業の評価上昇を主因に純損益は約5兆円の黒字と日本企業としては過去最大となったが、市場での評価は低く、株価は決算発表の翌日から今月6日までに26%下げた。

  孫正義社長は5月の決算会見で、記録的な黒字計上を「たまたまのたまたま」と謙遜した半面、自社の株価水準については低過ぎると強調。6月の株主総会では、自社株買い以外では株価を上昇させることができないとの投資家の不満に対し、「大概にして欲しい」「少し長い目で見ていただきたい」と応じるなど、市場とぎくしゃくした関係が続いている。

ソフトバンクGの四半期純損益推移

ー5四半期ぶりに赤字もー

会社発表資料

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