【米国市況】S&P500最高値、利回り上昇-雇用統計が予想上回る
Kamaron Leach、Elaine Chen6日の米株式市場では、S&P500種株価指数が最高値を更新。米雇用統計で予想以上の雇用者数の伸びが示された。金融当局が緩和策の縮小に近づきつつあるとの見方が広がるとともに、米国の景気回復の勢いが続いていることが明らかになった。
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金融や素材を中心に買われ、S&P500種が押し上げられた。米国の非農業部門雇用者数は7月に前月比94万3000人増とほぼ1年ぶりの大幅増を記録し、失業率も低下。労働市場の勢いを浮き彫りにした。
米雇用者数、7月は予想上回る94.3万人増-失業率は大幅低下 (2)
S&P500種は前日比0.2%高の4436.52。ダウ工業株30種平均は144.26ドル(0.4%)高の35208.51ドル。一方、ナスダック総合指数は0.4%低下した。米国債市場ではニューヨーク時間午後4時6分現在、10年債利回りが8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.30%。

JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバルマーケット担当ストラテジスト、マイク・ベル氏は「この日の非常に好調な雇用統計は労働市場のとてつもない回復ぶりを明示しており、米金融当局による資産購入テーパリング(段階的縮小)が比較的早く始まる可能性を高める」と指摘した。
外国為替市場ではドルが値上がり。予想を上回る雇用増を示す統計で早期テーパリングの観測が高まり、米国債利回りと共に上昇した。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時、6月半ば以来の大幅上昇となった。
ドル指数は0.5%上昇。週間ベースでもプラスとなった。ドルは対円で0.4%高の1ドル=110円23銭。ユーロは対ドルで0.6%安の1ユーロ=1.1759ドル。
ニューヨーク原油先物相場は反落。中国など世界各地で新型コロナのデルタ変異株感染が拡大する中、需要回復見通しに疑念が生じた。予想を上回る米雇用統計を受けてドルが上昇し、ドル建て商品の投資妙味も低下した。原油は週間ベースでは昨年10月以来の大幅安となった。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は前日比81セント(1.2%)安の1バレル=68.28ドルで終了。週間では7.7%下落。ロンドンICEの北海ブレント10月限は59セント安の70.70ドル。
ニューヨーク金相場は下落。7週間ぶりの大幅安となった。米雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことから、米金融緩和策の縮小が早期に開始されるとの観測が強まり、売りが優勢になった。

スポット相場はニューヨーク時間午後2時24分現在、前日比2.2%安の1オンス=1764.41ドル。一時は2.5%下げる場面もあった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は2.5%安の1763.10ドルで終了した。
原題:Stocks, Treasury Yields Rise on Robust Jobs Report: Markets Wrap(抜粋)
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