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ホンダ、未来の車でアップルやソニーと真っ向勝負-市場には悲観論も

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  • 収益性に改善の兆し、アナリストは実現可能性や利益との両立疑問視
  • 三部社長はEVやソフト主導の車開発で高い目標設定、手探りの挑戦
Toshihiro Mibe, chief executive officer Honda Motor Co., speaks during an interview at the compnay's Innovation Lab in Tokyo, Japan, on Tuesday, July 20, 2021. Mibe said Honda is open to working with others in different industries when it comes to developing software used in electric vehicles.
Toshihiro Mibe, chief executive officer Honda Motor Co., speaks during an interview at the compnay's Innovation Lab in Tokyo, Japan, on Tuesday, July 20, 2021. Mibe said Honda is open to working with others in different industries when it comes to developing software used in electric vehicles. Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg

電気自動車(EV)の推進にかじを切ったホンダは、自動運転やコネクティッドカーなど最先端テクノロジーを搭載した「未来の車」の実現にも意欲を示す。ただ、今後の技術動向が不透明な上、情報通信(IT)企業の参入も見込まれ、同社が競争を勝ち抜くのは容易ではない。

  「アップルもソニーもいろいろ考えられていると思うが、当然われわれとしても考えている」。ホンダの三部敏宏社長は7月のインタビューで、ハイテク企業から提案されるようなソフトウエアに主眼を置いた車の開発に、伝統的な自動車メーカーの立場から積極的に取り組む考えを示した。

Honda Motor CEO Toshihiro Mibe Interview

ホンダの三部社長(2021年7月、都内)

Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg

  「NSX」や「S2000」など高性能車でドライバーの支持を集めてきたホンダも、時代の流れで急速な変化を迫られている。4月に就任した三部社長は走る、曲がる、止まるという従来の車で重要とされた性能では「差別化しにくい」とし、映画などのエンターテインメントも含め「ソフトでいかに上屋、車の空間価値みたいなものを出せるか」が勝負になるとみている。

  ホンダは、2040年までに先進国で販売する全ての車をEVなどのゼロエミッション車とする方針を掲げており、今後は多様な分野への投資が必要だ。三部社長は「研究開発から生産、購買領域、最後の売り方まで含めて聖域なく、全てにおいて改革する必要がある」と話す。

ホンダ社長、他社とのアライアンス積極的に-電動化や自動運転など

  一方、既に一部の施策に着手しているが「その効果が読めないのは事実」とし、100年に一度とも言われる業界の変革期に「利益率、その精度がよく見えている会社は正直ないと思う」と手探りの状態であることも認めた。

高いハードル

  アナリストは、ガソリン車主体の現在でも四輪事業の低利益率に苦しんできたホンダにとって、今後乗り越えるべきハードルは高いとの見方を示す。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本浩一シニアアナリストは、個人所有の車も含めた完全自動運転が「実現する可能性は否定できない」と指摘。車の中での過ごし方が変われば「世の中がひっくり返る」とし、未来の車に備えること自体には意味があるとの考えだ。

  杉本氏は、ソニーグループが公表したコンセプトEV「VISION-S」の実機を見て「完成度の高さに驚いた」という。ホンダは米国でブランド力が強く、質の高い車を低価格で出せれば「興味を示す消費者は多い」と予想しながらも、試作車も出ていない段階で「評価のしようがない」と述べた。

  ホンダは、生産能力の削減や聖域とされた本田技術研究所の四輪開発機能を本社の事業本部に統合するなど改革を進める半面、米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携関係も強化した。EV推進を掲げた後も、連結営業利益率で7%の従来目標を維持している。

ホンダとGM協業拡大、北米でプラットフォーム共有-共同開発も

  ホンダの年間の営業利益率が最後に7%を上回ったのは08年3月期。特に四輪事業の利益率はここ数年2%を下回る。杉本氏は、7%の利益率目標の根拠が不明で、「現実のものとして受け止め切れていない」と指摘。市場がホンダの主張を信じていないのは同社の株価が示している、と分析した。

  ホンダが4日に発表した4-6月期の連結営業利益率は6.8%、四輪事業の利益率は3.1%だった。竹内弘平専務は会見で販売台数増加のほか、商品力の向上や「全方位展開でのコストダウン」が実を結んでいるとし、利益率は「相当高くなっている」と評価した。

  

  

ホンダの過去20年間の営業利益率

  東海東京調査センターの杉浦誠司アナリストは、自動車各社がEV計画を強化する背景には米テスラ株の大幅上昇があり、企業イメージ向上へのPRの側面もあるとみている。そのため、EVが消費者に受け入れられず、成長が頭打ちとなれば、過剰投資を行った企業の業績が悪化するリスクもあるという。

  また、ホンダが自前主義を捨て他社との提携に前向きなことについては、トヨタ自動車など他社は同業や異業種との協業を先んじて進めており、「まだ模索している」段階と受け止める。

  ホンダは前任の八郷隆弘社長時代、工場閉鎖やF1撤退など過去の拡大路線の清算に追われた。杉浦氏は、EV化などの目標は夢をつぶしてきたホンダが示した新たな夢だとし、新体制で「ゼロからの出発」を目指しているのではないかと述べた。

楽観的に

  ホンダは高い目標を掲げて成長してきた会社で、エンジニア出身の三部社長にとっては危機の連続だったという。「でも今のところ私は生きている。きっとなんとかなったんだろう」と振り返る。

  難しい技術開発に共通するのは、「今ある技術を足し算するだけでは答えが導き出せない」点だという。一例として、自動運転が将来重要な技術になると判断し、研究開発を数年前から強化したことでレベル3の自動運転車を世界に先駆け市場投入することに成功したことを挙げた。

  三部社長はEV化の根拠について今は具体的な説明ができないと認める半面、「困難を理由に下げてしまうと一生できない」とし、目標を掲げることに意味があると強調。「これからも多少楽観的にやっていけば、必ず形になると思う」と意気込みを語った。

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