コンテンツにスキップする
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
cojp

ANAHD、構造改革で4-6月営業赤字が6割減-通期据え置き

更新日時
  • 国内旅客予約動向は夏以降も増加傾向、国際貨物は年内堅調見込む
  • CF黒字化計画に遅れ、旅客需要の回復はワクチンが鍵-福沢専務

1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら

ANAホールディングス(HD)は30日、4-6月期(第1四半期)の営業損失が646億円だったと発表した。市場予想の825億円を下回った。新型コロナウイルス感染症の影響を引き続き受けたが、増収効果や事業構造改革の推進など費用削減効果から前年同期の1591億円と比べ赤字額はおよそ6割減った。

Inside All Nippon Airways Co. (ANA) Hanger Ahead of Earnings Announcement

ANA機

  発表資料によると、国内旅客では6月中旬以降、レジャー需要が回復。半導体・電子部品や自動車、医薬品など主力商材を中心に国際貨物も堅調に推移した。第1四半期のコスト削減実績は空港使用料や航空機燃料税の減免など変動費、保有機材数の削減や人件費など固定費の合計で1655億円だった。

  一方、280億円の営業黒字(前期は4648億円の営業赤字)を見込む今期(2022年3月期)計画は据え置いた。

  福沢一郎専務執行役員はオンラインで行った決算会見で、第1四半期は営業赤字になったが、社内で計画していた800億円程度の赤字水準を上回っており、「構造改革の効果が出ている」と指摘。国内線については「夏場以降、特に8月を中心としたところでは予約動向は低下することなく、むしろ若干ながら増加傾向にある」と説明した。また、国際貨物の需要堅調は「少なくとも年度末までこの状況が続く」との見通しを語った。

  第1四半期の国内旅客数は前年同期比2.5倍、国際旅客数は43%増、貨物収入は2.6倍となった。実質フリーキャッシュフローは594億円の赤字。前年同期の1753億円の赤字から改善した。

  同社は、4月時点では実質キャッシュフローベースで7月ごろに黒字転換することを計画していたが、福沢専務は黒字化のタイミングは同計画から「少し遅行している」との見方を示した。

4-6月期業績
  • 売上高:1989億円、前年同期比64%増、市場予想2223億円
  • 営業損失:646億円、前年同期1590億円、市場予想損失825億円
  • 純損失:512億円、前年同期1088億円、市場予想損失689億円

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェームス・テオ氏は23日付のメモで、日本のワクチン接種の遅れを踏まえると、旅客需要のより力強い回復は21年後半まで考えにくいと指摘している。

  ワクチン接種の進む米国でも、国内でレジャー旅行に続き、オフィス再開に伴う法人需要の回復に期待が高まる半面、国際線の見通しは依然として不透明だ。米航空大手のデルタ航空やユナイテッド航空は政府支援なしに7-9月期の黒字転換を見込み、アメリカン航空とサウスウエスト航空はより慎重な見通しを示すなど企業間で見方が分かれている。

  福沢専務は、日本においても旅客需要の回復にはワクチン接種が鍵になるとし、「ワクチン接種した方から少しずつ段階的に動けるような取り組みをしていただけるよう大いに期待したい」と述べた。

  国際航空運送協会(IATA)によると、21年の世界の旅客数は19年比で52%にとどまり、コロナ前の水準を回復するのは23年になる見通しだ。

関連記事
(決算会見の内容などを追記します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE