コンテンツにスキップする

野村HD:4-6月純利益は66%減の485億円、米顧客損失が響く

更新日時
  • アルケゴス関連の最終損失は3111億円、リスク過小評価で対応遅れる
  • 減速感あるが随所にポジティブな動きもあった決算-北村CFO

国内証券最大手の野村ホールディングスが30日発表した2021年4ー6月(第1四半期)連結決算によると、純利益は前年同期比66%減の485億円だった。前四半期(1ー3月)に続いて米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとみられる顧客との取引による関連損失654億円を計上するなど一時要因の影響が大きく、大幅な減益となった。

  そのほか、前年同期に計上した不動産関連益711億円の反動で業績が押し下げられた一方、保有する野村総合研究所株式の一部売却に伴う売却益362億円がプラス要因となった。

General Images of Nomura Holdings Inc.

野村HDの4−6月純利益は66%減に

 

第1四半期の主な収益(増減は前年同期との比較)
  • 収益合計は21%減の4052億円
    • 委託・投信募集手数料は3.0%減の829億円
    • 投資銀行業務手数料は3.3倍の357億円
    • アセットマネジメント業務手数料は19%増の640億円
    • トレーディング損益は63%減の520億円

  米国の顧客取引に関しては、前四半期にすでに2457億円を計上しており、最終的な損失は3111億円に膨らんだ。ポジション処理は全て完了したという。北村巧財務統括責任者(CFO)は同日の電話会見で、米顧客の一部の銘柄への集中投資と株価の急落が重なった「非常に特殊な状況だった」とし、同社がリスクを過小評価した結果、対応が遅れたとの認識を持っていると総括した。

  現在、再発防止のためのリスク管理強化に取り組んでおり、社内での点検に続き、外部の目による点検を実施中だという。北村氏によると、他社と比較したリスクカルチャー、現場とリスク管理部門の連携、リスク管理部門の人員を含めた体制が十分かといったテーマで洗い出しを進めている。

海外は2四半期連続の赤字

  部門別の税前利益はリテールを担う営業部門が前年同期比26%増の190億円、新設のインベストメント・マネジメント部門は同2倍の449億円だった。ホールセール部門は284億円の赤字(前年同期は879億円の黒字)だった。北村氏はインベストメント・マネジメント部門の好調などを例に「前期に比べると減速感はあるかもしれないが、随所にポジティブな動きがあった四半期」と述べた。

  海外拠点の税引き前損益は、米州が366億円の赤字(前年同期は400億円の黒字)、欧州が53億円の赤字(同150億円の黒字)、アジア・オセアニアが66億円の黒字(同92億円の黒字)。合計では353億円の赤字(同642億円の黒字)だった。海外部門の赤字は2四半期連続となる。

市場関係者は評価

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の田村晋一アナリストは「トレーディングなどフローの収益は弱かったが、ストック資産、ストック収入の着実な増加が収益の安定化に寄与しており、野村HDが掲げる資産管理型収益モデルへの転換がいい形で進んでいることを確認できた」と評価。営業部門のストック収入は前年同期比28%増の252億円だった。

  米調査会社モーニング・スターのマイケル・マクダット氏も「まずまずの四半期。米顧客関連の損失がなければかなりいい業績だったはずだ」と総括。新設のインベストメント・マネジメント部門の税前利益449億円は「旧アセット・マネジメント部門の最高益より高い数字」とし、自己投資などを担うマーチャント・バンキング部門を吸収したことで「利益水準は高くなるが、振れ幅も大きくなるだろう」とした。

(第7、8段落にアナリストのコメントを追加します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE