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ウォール街のインフレ勝者は誰か、ブラックロックはTIPSショート

  • ブラックロックはレポ市場で借りたTIPS売ることでショートに
  • バンガードなどはこれまで成功したTIPSのトレードを続けている

米国のインフレ加速が定着するかどうかという全体の議論で、一つの重要な事実が抜け落ちている。そもそもインフレがここまで高進するとほとんど誰も予想していなかったという点だ。

  1年前を振り返れば、エコノミストや債券市場が予測した2021年のインフレ率は、前年同月比5.4%という今年6月の米消費者物価指数(CPI)上昇率と比べればほんのわずかな数字だ。

  物価圧力の過熱と市場の認識不足というリスクを感じる投資家にとって、インフレ連動債(TIPS)に資金を投じることは、素晴らしい投資であり、これまで米国債市場の他のどの部分より実質的に高いリターンを生んできた。

  米資産運用会社バンガード・グループなどは、インフレ率が平均2%という米連邦準備制度のインフレ目標を上回り続けると信じ、これまで成功したトレードを続けている。同社は米CPIの全体の上昇率が年末までに約5.6%に加速し、その後22年半ばまでに3%に鈍化するとみている。

  一方、世界最大の資産運用会社である米ブラックロック傘下のブラックロック・ファイナンシャルで米州ファンダメンタル債券責任者を務めるボブ・ミラー氏は、TIPSの相場上昇が行き過ぎだという強い確信を持ち、投資配分を縮小するだけでなく実際にショートにしている。物価圧力とインフレ期待が今後数カ月で安定するというのが、同氏の見立てだ。

  レポ市場で借りたTIPS売ることでインフレ連動10年債をショートにしているミラー氏は「実質利回りは全く魅力がない。インフレがこれまでをかなり上回るペースで加速し続けると考える陣営にわれわれは属していない」と説明した。

原題:BlackRock Is Shorting TIPS After Cashing In on Inflation Surge(抜粋)

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