コンテンツにスキップする

米国1位守れず、経済再開もデルタ株打撃-コロナ時代の安全な国番付

  • 米国はワクチン接種率が横ばい、7月は感染が再び急増
  • 1位はノルウェー、五輪開催の日本は26位に順位落とした

世界は今月、現実を突き付けられた。新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミック(世界的大流行)終息への道は平たんではない。

  ブルームバーグが毎月まとめる世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」での米国の首位は短命に終わった。ワクチン接種率は横ばいとなり、デルタ変異株の広がりで7月には感染が再び急増。一部の地域では行動制限があらためて課された。ただ、死者数はこれまでの感染拡大期に比べわずかにとどまっている。

  欧州がワクチン接種と経済再開で米国に追い付き、場合によっては追い越した。ワクチンが正常化への鍵であることはますます鮮明になりつつあり、7月の耐性ランキングではノルウェーが1位になった。同国では国民のほぼ半数がワクチン接種を受け、新たな死者はほとんどなく、国境は開かれている。スイスも死者数減少で隔離なし渡航が可能になり2位となった。感染を抑え込んで上位3位内に定着しているニュージーランドは3位。

  7月のランキングからは、感染力の強い変異株が広がる中でワクチン普及が前提の経済再開とウイルス封じ込めが綱引きをしている状況が浮き彫りになる。米国は一時は高いワクチン接種率と新規感染者の減少、急速な経済再開という最良の組み合わせを満喫していたが、今は接種率の伸び悩みと感染再拡大で岐路に立たされている。

Handling the Covid Era

A divide between the rich and poor has become increasingly apparent on Bloomberg's Covid Resilience Ranking

Note: A higher Covid Resilience Score indicates a better outcome

  英国も同様の不確実性に直面している。同国では一時、新規感染者の伸びが世界で最も高くなり、順位を16ランク落として25位に後退した。ワクチン普及率の高さから死者数は今のところ低く抑えられているが、感染再拡大で信頼感は揺らいだ。変異株が広がり、英メディアが「自由の日」と銘打った7月19日の制限解除が時期尚早で代償の高い過ちであったと判明するかどうかはまだ分からない。

  感染拡大にもかかわらず東京五輪を開催中の日本は26位に順位を落とした。

  COVID耐性ランキングは、どの国・地域が社会・経済への打撃を最小限に抑えながら最も効果的に対応できているかを示す月ごとのスナップショットだ。感染抑制や医療の質、ワクチン接種率、死亡率など12の指標に基づいている。先月からは渡航再開や国境閉鎖緩和の進展度合いがこれら指標に加わった。上位にはワクチン接種の進展が感染抑制と経済再開の両方を支えている国・地域が多くなっている。 

relates to 米国1位守れず、経済再開もデルタ株打撃-コロナ時代の安全な国番付
relates to 米国1位守れず、経済再開もデルタ株打撃-コロナ時代の安全な国番付
relates to 米国1位守れず、経済再開もデルタ株打撃-コロナ時代の安全な国番付

ブルームバーグCOVID耐性ランキングの補足説明

  7月の最下位(53位)はインドネシアだ。今や1日の死者数は1300人を超え、膨大な人口に対してワクチンは足りていない。マレーシア、フィリピン、バングラデシュなど下位の諸国も同様の苦境にあり、ランキング上で富裕国とそうではない国・地域の格差拡大を浮き彫りにする。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長はワクチンへのアクセス不均衡を「破壊的な道徳的失敗」と呼んでいた。

  先進国・地域の一部ではワクチンが豊富にある一方、アフリカや中南米、東南アジアの多くでは不足しているか、場合によっては全く手に入らないところもあり、貧しい人々は新たな感染拡大に対して身を守るすべがない状態だ。

Uneven Distribution

Vaccine inequality has a major impact on death rates

Source: Johns Hopkins University, Bloomberg's Covid-19 Vaccine Tracker

Note: Data as of July 27

  パンデミックが形を変えるに伴い、番付を決める指標も重要データポイントをより良く、正確に反映するように変化している。7月は死亡率の指標を過去1カ月から3カ月のデータに変更した。検査と治療法の改善によって発症から回復または死亡に至るまでの時間が長くなったことを考慮した。 

  これまで経済再開と正常化で先陣を切ってきた国・地域は現在、変異株に加えてワクチン接種への抵抗という逆風に見舞われている。後で検証すれば無鉄砲だったと解釈される結果に終わるだろうか。それとも、新型コロナがなくなりはしないが脅威ではなくなる未来への道を歩み続けられるだろうか。この問いへの答えが、次回8月のランキングの焦点になる。

  

原題:The Best And Worst Places to Be as Reopening, Variants Collide (抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE