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バイデン政権、インフレ巡るメッセージに変化-共和党の攻撃など受け

  • 物価上昇が国民にもたらす苦痛を認めテクニカルな表現は取り下げる
  • 来年の中間選挙を控え、共和党はインフレ高進を政権攻撃の好材料に

米国のインフレ動向を巡り、ホワイトハウスの語り口に変化が見られる。有権者の物価上昇への懸念の高まりが世論調査で示され、共和党はインフレ高進をバイデン大統領の社会保障拡充案とインフラ整備計画を阻止する材料にしようとしている。

  その結果、「一過性」といった堅苦しい文言や、物価指数についての複雑な統計的説明は姿を消す一方、バイデン大統領自身が分かりやすい表現で説明するスタイルに切り替わり、住宅や食料品、木材、中古車などの値上がりに関する一般米国民のいら立ちを認める一方、物価高はやがて沈静化する見通しだとして安心を促す形となった。

President Biden Holds Cabinet Meeting

バイデン大統領

Photographer: Al Drago/Bloomberg

  大統領は19日にホワイトハウスで、「長期にわたり制御されないインフレを経験する事態になれば、米経済に深刻な困難をもたらす点を政権として理解している。このため、現時点で目にする状況はそのようなものでないと確信しているが、必要な対応について警戒を続ける方針だ」と述べた。

  米国でインフレが政治問題化することは過去40年間ほとんどなかったが、バイデン大統領の新たな取り組みは、2022年の中間選挙を前に物価上昇が民主党にとって急所になりかねない状況を反映している。

  物価高を巡る懸念は顕在化しつつある。7月のミシガン大学消費者マインド指数は生計費の上昇が意識され予想外の低下となった。また、ギャラップの世論調査では、バイデン大統領の支持率が今月に入り就任以来の最低を記録した。

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  バイデン大統領の側近は、これまでと違う表現がインフレに関する政権の見解の実質的な変更を反映するものでないと強調。大統領のチームとしては、消費者物価の最近の上昇について、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う百年に一度の危機を受け、米経済が正常化に向けて再調整しつつあることに起因する一時的な困難とみていると話す。

  これに対し共和党は、3月に成立した1兆9000億ドル(約210兆円)規模のコロナ対策の結果、多額の資金が経済に投入されて物価上昇を招いていると、インフレを主な攻撃材料にバイデン政権を批判。スコット上院議員をはじめとする同党議員はまた、民主党の3兆5000億ドル規模の社会保障拡充案がインフレに「ジェット燃料」を注ぐだけだと警告している。

  一方、ハリス副大統領オフィスと財務省、大統領経済諮問委員会(CEA)や国家経済会議(NEC)のホワイトハウスの経済顧問で構成する少人数のグループは過去数カ月、インフレ統計を注視して詳しく調べ、電子メールで分析を共有してきた。

  バイデン大統領が先週2回にわたりインフレについて発言し、米経済のこの顕著なトレンドを取り上げてより分析的な文脈に置くよう努めたと政権高官は説明した。

  ホワイトハウスはこのほか、社会保障拡充とインフラ整備の2本柱が経済を強化して需給の問題を一部解消し、最終的にコスト圧力の緩和につながるというアイデアを推進しており、ムーディーズ・アナリティクスの最近の調査が一定の裏付けを与えている。

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原題:
White House Shifts Messaging on Inflation as Republicans Attack(抜粋)

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