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迫る米債務上限復活、短期市場で募る不安-待ち受ける展開読み切れず

  • 2019年に合意した債務上限の適用停止、7月31日に終了
  • 米財務省、現金残高を4500億ドルに圧縮したい意向を示唆

米連邦債務上限の適用を停止している措置の終了が近づき、短期市場トレーダーは再び落ち着かない日々を過ごしている。

  米国がデフォルト(債務不履行)に陥るリスクは極めて低いが、米財務省が膨大な額の現金残高をその方針通り、2019年に議会と合意した債務上限適用の一時停止と整合するレベルに圧縮できるのか、またどのようにそれを達成するのか、投資家は答えを求めている。世界の金融システムを支える短期資金市場に、財務省の取る行動が及ぼす影響を心配している。

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  米財務省は債務上限の適用停止が終了する7月31日までに、現金残高を4500億ドル(約49兆6000億円)に圧縮する意向をこれまでに示唆している。債務上限の適用再開に備えて財務省が現金を積み上げるという事態を避けることが狙いだ。現在7000億ドル規模の現金残高を目標水準に縮小できるかどうかは不透明であり、できなかった場合に何が起きるかも分からない。金融調査会社ライトソンICAPによれば、現金残高は今月末の時点で4500億ドルを上回る見通しだ。

  ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、ザカリー・グリフィス氏は「時間はほとんど残っていない。何らかの行動は必至だ」と語る。「4500億ドルに縮小しないのか。あるいは新型コロナ対策への充当を加速するのか。もしくは財務省短期証券(TB)の思い切ったペイダウン(一部償還)に踏み切るのか。TB発行の崖のような状況になれば、あらためてTBレートに下押し圧力がかかるだろう」と述べた。

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The cash pile is still well above where it needs to be at month end

米財務省の営業収支推移

出所:米財務省


  米政府の債務管理チームはすでに、TB入札の一角で規模を縮小している。今月8日には、3カ月物と6カ月物TBおよびキャッシュ・マネジメント・ビル(CMB、つなぎ資金調達のための短期政府証券)の入札を約1年ぶりに縮小した。このほかの短期証券の発行規模も減らしたが、それ以降は動いていない。すでに可能な限りの縮小を済ませている可能性がある。

  現時点では、ストラテジストらが自信を持って、現金残高が4500億ドルに圧縮されると言える状況には至っていない。市場はこうした不安を織り込む段階に入っている。

  TDセキュリティーズのシニア米金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は現金残高について、「慎重で思慮深い米財務省が、自分から発したガイダンスを守らないとなれば驚きだ」と話す。上限引き上げについて「議会の抵抗は強く、その水準への圧縮を可能にするには、発行済みのTBを大きく削ることになりかねない。このごたごたの行方がどうなるのか、私には見えない」と述べた。

原題:Debt Ceiling Debacle Threatens Fireworks in U.S. Money Market(抜粋)

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