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インドのユニコーン、調達ラッシュ-中国でやけどした投資家呼び込む

  • ソフバンクGはペイティーエムやフリップカート、レンズカート出資
  • 投資家はインドが次の中国になることを期待

インドのテクノロジー系スタートアップ企業にとって先週は重要な分岐点だった。折しも中国では当局によるインターネット企業に対する締め付けが投資家を驚かせているこの時、インドでの新興企業による記録的な資金調達が目を引いた。

  フードデリバリーアプリのゾマトは、企業価値10億ドル(約1100億円)超とされるユニコーン企業としてインドで初めて新規株式公開(IPO)を進めている。モルガン・スタンレーやタイガー・グローバル、フィデリティ・インベストメンツの出資を受け13億ドル規模のIPOを目指す。

Zomato's Food Delivery Service as Startup has Blockbuster IPO

ゾマトの配達ドライバー(ムンバイ、7月16日)

  電子決済サービス会社ペイティーエム(Paytm)は22億ドル規模とインド最大となり得るIPOの仮目論見書を提出。同社にはソフトバンクグループや米バークシャー・ハサウェイ、中国のアント・グループが出資している。

ペイティーエム、インド当局にIPO申請-最大約2400億円規模 

  小売りのフリップカート・オンライン・サービシズは企業価値380億ドルと評価され、36億ドルを集めた。インドのスタートアップとしては記録的な資金調達ラウンドとなった。

印フリップカート、約4000億円調達-ソフトバンクGも出資

A Day In The Life Of A Flipkart Deliveryman

フリップカートの配達員

  資産92億ドル相当を運用するGGVキャピタルのマネジングディレクターで米シリコンバレーを本拠としているハンス・タン氏は「インドの起業家はここ10年間、静かにスタートアップを築き上げてきた。その間に国内のインターネットインフラは大幅に改善された。世界中でテクノロジー株に対する非常に強い関心が見られる」と述べ、「投資家は大きな値上がりを見込み始めており、インドが次の中国になることを期待している」との見方を示した。

  オンライン眼鏡販売のスタートアップ企業レンズカートは19日、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスや米ファルコン・エッジ・キャピタルを含む投資家から2億2000万ドルを調達したと発表。レンズカートには先に米KKRソフトバンクグループが出資している。

ソフトバンクG出資の印レンズカート、242億円調達-テマセクなどから

  オンラインの活用が進み市場も大きく発展している中国とは異なり、インドのインターネットユーザー6億2500万人の多くがビデオストリーミングやソーシャルネットワーキング、電子商取引(eコマース)に足を踏み入れたばかりだ。eコマースは小売り取引の3%にも満たない。

  インドの人口がこの10年で中国を追い抜くと予想されている一方で、中国はテクノロジー企業の規制を強化。2月のピーク時から時価総額が約8000億ドル余りが吹き飛び、何人もの著名起業家の資産が急減している。馬雲(ジャック・マー)氏のアント・グループが昨年11月にIPOの中止を余儀なくされて以後、アプリストア運営会社に配車サービスを手掛ける滴滴出行のアプリを除外するよう今月突然命じるなど、中国当局の締め付けはまだ続きそうだ。 

Zomato's Food Delivery Service as Startup has Blockbuster IPO

ゾマトの配達員(ムンバイ、7月16日)

  コタック・マヒンドラ・アセット・マネジメントのグループプレジデント兼マネージングディレクター、ニレシュ・シャー氏は、インドのハイテク企業は「中国のハイテク企業でやけどを負ったグローバル投資家を引き付けることができる」と指摘。赤字のスタートアップが幾つか上場に成功すれば、多くの既存企業の再評価につながり、市場の価値が高まる可能性があると語った。

  調査会社CBインサイツのデータによると、インドは4-6月にテクノロジーのスタートアップ向け資金調達・取引が過去最大の63億ドルに達したが、中国勢向けは2020年10-12月に記録したピークの277億ドルから18%減少した。

原題:India Is the New Hope for Tech Investors With Fund-Raising Blitz(抜粋)

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