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私学事業団、中国国債のさらなる組み入れ検討-旗艦指数の変更に対応

  • 「流動性に問題なくフェイルも起きていない」と運用担当者
  • GPIFは中国国債の組み入れについて態度を明らかにせず

私立学校教職員の年金を運用する日本私立学校振興・共済事業団は、10月から債券の旗艦指数「FTSE世界国債インデックス」(WGBI)が中国国債を段階的に組み入れるのに合わせ、連動する運用資産にも加える方向で検討を進めている。

  WGBIを運用ベンチマークに採用する委託運用の一部で、口座開設などの準備が整い次第、中国債券に投資する計画。2019年4月から段階的に中国国債の組み入れを開始したブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合指数(BBGA)を運用ベンチマークとする委託運用でも同様の対応を取っていた。

  私学事業団の寺迫桂運用第2課長は、中国国債への投資で「今のところ流動性にも問題なくフェイル(受け渡しの不履行)も起きていない」と指摘。現時点で相対的に高い中国国債の利回りを考慮すると、受託者責任の観点から「入れない理由を説明できない」と述べた。

  ただ実務上の問題や規制変更リスクは残るという。中国国債に投資する場合、委託運用会社ごとに中国国内に口座を開設する必要があり、開設までに2年かかる例もあった。突然の売買停止も考慮しなくてはならず、コストもかかることから、寺迫氏は「中国リスクは少なからずある」との認識を示した。

  野口正治運用第1課長は、「マーケットの動向や規制次第で、今後の判断は変わる可能性はある」と説明した。

  WGBIを外国債券の政策ベンチマークとする年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、相対的に金利の高い中国国債から得られるリターンと、中国の規制変更リスクをてんびんにかけ、中国国債の運用資産への組み入れの可否について態度を明らかにしていない。

  私学事業団の資産運用額(厚生年金保険給付積立金)は3月末時点で2.8兆円。国家公務員共済組合連合会や地方公務員共済組合連合会と同様に、資産を国内外の株式と債券に4分の1ずつ割り振るGPIFと同じ基本ポートフォリオに基づいて運用している。

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