日本株4日続落、景気減退とコロナ拡大に懸念-東証1部の87%が下落
間一生
更新日時
東京株式相場は4営業日続落。市場予想を下回る米経済指標や新型コロナウイルスの感染拡大を受けて世界経済が減退する懸念が強まった。半導体や自動車、機械などの輸出関連銘柄が安く、鉄鋼など素材株や鉱業株なども値下がりした。ワクチン接種が遅れるアジア各国でデルタ変異株が拡大する中、空運株の下げが目立った。東証1部の値下がり銘柄数は全体の87%を占めた。
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市場関係者の見方
JPモルガン・アセットマネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト
- 東京五輪開催を控える中で国内の感染者数が増え、短期的には株安につながった
- 世界景気の減速懸念でリスクオフモードが広がっている。中国で経済刺激策の段階的縮小により投資が伸び悩む懸念がくすぶっている中で、米ミシガン大学消費者マインド指数の低下と米インフレ期待の上昇が加わり、売り圧力が強まった
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
- 明確な材料がない中で売買の中心が短期筋になり、株式指数の下げ幅が広がった
- 日銀の上場投資信託(ETF)買い入れや企業の自社株買いが減り、買い手の主体が海外勢や個人になったため、日本株は景気敏感株として売られやすい情勢
- 世界的にデルタ変異株が拡大する中でワクチン接種の遅れているアジア各国では経済への悪影響が警戒されるため、空運を中心に売りが目立った
東証33業種
下落率上位 | 空運、鉄鋼、電機、非鉄金属、ガラス・土石製品、金属製品、鉱業 |
上昇率上位 | 医薬品 |
背景
- 【米国市況】株下落、消費者マインド悪化で上げ失う-ドルは高い
- 【新型コロナ】東南アジアで状況悪化、NY市の新規感染1000人突破
- 米消費者マインド、予想外の低下-インフレで消費環境が一変
- OPECプラスが減産縮小で合意-サウジとUAEの対立解消
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