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英中銀の資産購入、インフレ上昇や格差拡大のリスク-英上院が点検

  • 上院経済問題委員会、FRBや日銀の当局者らを対象に調査・分析
  • QEは富裕層に利益、経済成長への効果はほとんどない-報告

イングランド銀行(英中銀)の資産購入プログラムはインフレを誘発し、格差を広げるリスクがある一方で、約10年前の開始からこれまでに経済成長の押し上げにはほとんど寄与してこなかったと、英上院の経済問題委員会が結論づけた。

  急速な物価上昇を食い止めるために利上げが必要になった場合、英中銀が保有する債券はそうした利上げに敏感に変動するものであるため、量的緩和(QE)は財政に「深刻な危険」をもたらしかねないと同委員会は指摘した。キング元英中銀総裁も同委員会メンバーの一人だ。

  英中銀は2008年の金融危機後にQEを導入した。英中銀は現在の資産購入ラウンドを完了すれば、年末までに8750億ポンド(約133兆3300億円)の国債、200億ポンドの社債を保有するとみられる。

  QEは資産価格や不動産価格を押し上げ、住宅を購入する余裕のない低所得層や若年層を犠牲に、富裕層に利益をもたらしたとの批判的な見方もある。

  同委員会のマイケル・フォーサイス委員長は、「今や国内総生産の40%に拡大したQEの規模と長期化は、徹底的な調査と説明責任を必要とする」と指摘。「しかしこれまで、英中銀に疑問の目が向けられることはほとんどなかった。今後は英中銀には一段の透明性が求められ、QEを適用する正当性や効果を示さなくてはならない」と続けた。

  同委員会は金融政策の専門家や米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)、日本銀行の当局者を対象に6カ月にわたって調査。その結果を今回の報告書にまとめた。

  同委員会の分析結果を受けて、英中銀は物価安定の責務を果たすことを強調する声明を発表。QEを含めた政策手段は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う「極端な経済的苦境において、全ての借り手に必要な支援」を提供したと述べた。

Crisis Response

The U.K. central bank is set to own half the conventional gilts in issue

Source: Bank of England

原題:BOE Asset-Buying Risks Stoking Prices, Inequality, Lords Say (1)

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