コンテンツにスキップする
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
cojp

日銀が気候変動オペにゼロ%付利、30年度まで-慎重姿勢の指摘も

更新日時
  • 貸付期間は原則1年で借り換え制限なし、日銀の取り組み方針も公表
  • 金融政策は維持、21年度実質GDP下方修正・コアCPI引き上げ

1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら

日本銀行は16日の金融政策決定会合で、金融機関の気候変動対応投融資を支援する新たな資金供給制度(気候変動対応オペ)の骨子案を決めた。注目された当座預金への付利による優遇措置は、貸出促進付利制度の中で最も低い0%が適用され、市場からは慎重な姿勢との指摘が出ている。

  当座預金のうち、0%付利のマクロ加算をオペ利用残高の2倍とし、マイナス金利の部分を圧縮する。実質的な補助となるプラス付利は見送った。

  貸付期間は原則1年だが、回数制限を設けず借り換えが可能で、「実質的に、長期にわたるバックファイナンスを受けることが可能」としている。年内をめどに開始し、2030年度まで実施する。貸付利率は0%で、円で貸し付ける。

BOJ Expected to Offer Interest on Green Loans, Tweak Growth View

日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

対象となる投融資

  • グリーンローン/ボンド
  • サステナビリティリンクローン/ボンド
  • トランジションファイナンス  

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは、気候変動対応オペの骨子案について、利用を促すインセンティブは小さいとし、「スロースタートの印象が強い」と述べている。

  野村証券の美和卓チーフエコノミストはリポートで、対象投融資の幅広い容認やプラス付利の一部適用が注目されていたが、「限定的かつ慎重な内容にとどまった」と指摘。オペの仕組みはミクロ的な資源配分に対し中立的であるべき金融政策の原則をやや逸脱しているとした上で、「この点、日銀はなお原則論に依拠した慎重な考え方に基づく制度設計を優先した可能性があろう」との見方を示した。

  ブルームバーグがエコノミスト47人を対象に6-9日に実施した調査では、インセンティブとしてプラス付利を行うとの見方が過半の57%を占めていた。具体的な付利水準は0.1%との見方が43%で、0.2%は14%。ゼロ%との回答は20%だった。

  気候変動に関する日銀の取り組み方針も公表し、保有外貨資産で、外貨建てのグリーン国債の購入を行うことを明らかにした。

  金融システム面では、気候関連金融リスクへの対応状況について金融機関と対話を深める。金融庁と連携し、大手金融機関などを対象に、リスクの定量的な把握のため、共通シナリオによる分析の検討を進める。

予想時点実質GDPコアCPI
2021年度7月3.80.6
4月4.00.1
2022年度7月2.70.9
4月2.40.8
2023年度7月1.31.0
4月1.31.0

(注)単位は%、政策委員見通しの中央値。

  金融政策運営は現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の維持を賛成多数で決定した。会合には6月30日に就任した中川順子審議委員が初めて参加した。

  新たな「経済・物価見通しの展望(展望リポート)」では、21年度の実質国内総生産(GDP)見通しを前年度比3.8%と4月時点から下方修正する一方、22年度を同2.7%に引き上げた。消費者物価(除く生鮮食品)見通しは0.6%に上方修正した。

  経済見通しは、感染症の影響を中心に当面は下振れリスクの方が大きいが、見通し期間の中盤以降は「おおむね上下にバランスしている」と評価。物価見通しは、下振れリスクの方が大きいとしている。日本経済はワクチン接種の進ちょくなどに伴って感染症の影響が徐々に和らぎ、先行きは回復していくとみている。

(気候変動に関する日銀の取り組み方針を追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE