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クレジット市場は眠い夏、保有するだけの「キャリー・イズ・キング」

  • 消えたボラティリティー、リスクプレミアムは3月以降ほぼ動かず
  • 割高バリュエーションと当局の景気刺激策で、買いも売りも慎重

世界のクレジット市場はあまりにも物静かになってしまったため、投資家は単調な収益源であるクーポンに焦点を絞っている。

  JPモルガン・チェースBNPパリバのアナリストらは債券をただ保有しているだけで得られるリターンが全てだとして、この状況を「キャリー・イズ・キング」と表現している。

  金融当局が依然として超低金利と大規模な資産購入にコミットし、ボラティリティーがほぼ消滅した状態では、トレーディングで利益を上げることは難しさを増しているからだ。

Spreads have moved within tight range in recent weeks

  投資家は割高なバリュエーションで買うことにも、当局の景気刺激プログラムが続く中で積極的に売ることにも慎重なため、リスクプレミアムは3月下旬以降ほとんど動かない状態が続いている。

  アクサ・インベストメント・マネジャーズのシニア・クレジット・ストラテジスト、グレッグ・べニゼロス氏は「キャリー(保持する)が現時点での戦略だ。ボラティリティーがほぼゼロに近いなかでは有望のようだ」と述べた。「今後3-6カ月、少なくとも夏の間は最小のスプレッドと低ボラティリティーが続くだろう」と予想した。

  市場を休眠状態から呼び覚ますきっかけは、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)と欧州中央銀行(ECB)の会合だろう。「次の重要ポイントは9月の中銀会合だ」とベニゼロス氏は述べた。

  社債スプレッドはここ数カ月停滞している。航空会社や不動産のような新型コロナウイルスの打撃を受けたセクターでさえ、バリュエーションはパンデミック(世界的な大流行)前の水準に戻っている。米国の投資適格級社債のスプレッドは4月初め以降、約10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以内の動きにとどまっている。ユーロ建てのスプレッドはほぼ変わらず。

原題:‘Carry Is King’ in Credit Market Trapped in Summer Stalemate (1)(抜粋)

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