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紙おむつにもインフレの波、コロナ禍で厳しい米家計をさらに圧迫

  • おむつの平均単価は1月に前年比14%上昇、それ以降も高止まり
  • キンバリー・クラークとP&Gはコスト上昇分を消費者に転嫁

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新型コロナウイルス禍で苦難に見舞われていた米国の家庭に現在、インフレによる出費増というさらに重い負担がのしかかっている。自動車や衣料品、外食などの裁量消費は先送りにすることも可能だが、生活必需品は待ってくれない。紙おむつもそうだ。

  ニールセンのデータによると、紙おむつの平均単価は今年1月に前年比14%上昇し、それ以降も高止まりが続く。昨年は25ドル(2800円)程度だった1パックの値段が今では40ドルすることもある。実際、あせもの薬やお尻拭きなどベビー用品の価格は2桁の上昇率となっており、各社は今後も値上げは続くと話している。

  孫4人の世話をするリチャード・ディクソンさん(59)は、3歳の双子が使うパンツタイプの紙おむつに月300ドルかかるため、他の出費を抑えざるを得ない状況だという。「必需品を減らしているんだ。毎週それを実感しているよ」と語った。

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米国では紙おむつを買う余裕のない世帯が増えている(紙おむつバンクの倉庫、カンザスシティー)

撮影:チェースキャスター/ブルームバーグ

  おむつ価格の上昇は、市場が大手2社による寡占状態となっていることも背景にある。ハギーズやパンパースなど世界的ブランドの多くはキンバリー・クラークとプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の商品だ。米おむつ市場の70%を占めている両社は、原材料価格が高騰する中でも自社の利益を確保している。

  カリフォルニア州立大学フレズノ校のジェニファー・ランドルズ准教授(社会学)は、米国ではすでに全世帯の3分の1が十分な紙おむつを買えない経済状況に陥っており、この割合はコロナ禍で大幅に増えたとしている。汚れた紙おむつは乳幼児を皮膚疾患や尿路感染症などの衛生リスクにさらす。

Growing Pains

Diaper prices have been surging as manufacturers cope with inflation

Source: Nielsen

  おむつを無料配布するおむつバンクの必要性は高まっている。全米おむつバンクネットワークの責任者、ジョアン・ゴールドブラム氏によると、昨年に新型コロナ対策のロックダウン措置が取られ始めて以降、全米200カ所のおむつバンクでは配布量が68%増加したという。

  失業保険の上乗せ給付を9月の失効前に段階的に終える計画をこれまでに発表した26州では、この問題がさらに深刻化することが予想される。ディクソンさん一家が暮らすミズーリ州もそのうちの1州だ。 

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リチャード・ディクソンさん(中央)と2人の孫

Photographer: Chase Castor/Bloomberg

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原題:
Diaper Inflation Wrecks Already-Strained Family Budgets in U.S.(抜粋)

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