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FRB、経済の回復完了まで「強力な支援」継続-金融政策報告

更新日時
  • ワクチン接種の進展が力強い経済回復に寄与-金融政策報告
  • FRBはパウエル議長の議会証言に先立ち金融政策報告を公表

米連邦準備制度理事会(FRB)は、新型コロナウイルス感染症(COVID19)のワクチン接種プログラム拡大が寄与する形で米経済は力強い回復を見せているとしつつ、金融政策による「強力な支援」を今後も続けると表明した。

  FRBは9日に公表した半期に一度の金融政策報告で、「ワクチン接種の進展に加え、緩和的な金融・財政政策からの支援により経済再開と力強い成長がもたらされている」としつつ、「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の影響が引き続き米経済に重しとなっており、雇用はパンデミック前の水準をなお大きく下回っている」と説明した。

  パウエルFRB議長は14日に下院金融委員会、翌15日に上院銀行委員会でそれぞれ証言する予定。金融政策報告はそれに先立ちウェブサイトに掲載された。

The Fed's New Dot Plot

  報告では、金融当局による資産購入、ならびに物価と雇用の目標を達成するまで利上げを実施しないとの方針により「回復が完了するまで金融政策が経済を強力に支援し続けることを確実にできる」と説明した。

  今回の報告では経済情勢や金融政策だけでなく、パンデミックの労働市場やサプライチェーンへの影響や最近のインフレ率上昇などさまざまなトピックに触れた。

インフレ期待

  FRBはインフレ高進が落ち着かず、将来の物価上昇期待が2%目標と整合する水準を「持続的に上回った」場合、「金融政策スタンスの変更が求められる」可能性があると記した。

  市場に基づくインフレ期待の指標については、インフレ率が短期的な急上昇の後、2.25%付近で落ち着くとの投資家の予想を示していると説明。その上で、この水準は金融当局の目標と整合していると指摘した。

Longer-term inflation expectations of investors, U.S. consumers fairly contained

  FRBは調査から得られたインフレ期待には市場に基づく指標と類似した傾向が見られると指摘。インフレ率は短期的に上昇した後、当局の目標に向かって落ち着くと予想した。

金融安定

  金融安定に関しては、起こり得る金融不安に対する脆弱(ぜいじゃく)性が金融システムの一部で前回2月の報告以降に高まったものの、システムの核となる部分は引き続き強靱(きょうじん)だと説明した。

  株式と商業用不動産の価格については高いと指摘。暗号資産の価格急伸は投資家のリスク選好の高まりを反映している部分もあるとの認識を示した。

  FRBは「投資家のリスク選好低下や予想外の金利上昇、ないし景気回復の失速が起きた場合、資産価格は急落しやすくなる可能性がある」と記した。

労働市場

  労働市場については、テクノロジーの活用拡大やリタイアの増加といった構造的な変化がコロナ禍前から既に進んでいたとしつつ、パンデミックでその動きが加速したもようだと指摘。パンデミック後の雇用の現実というのは、コロナ禍前の2020年初めとは異なるものになる可能性があると論じた。

サプライチェーン

  サプライチェーンに関しては、突如とした需要急増が物流の停滞を招き、港湾など輸送の要所では対応能力を超え、物流コストが上昇したと指摘した。

  その上で「生産者と物流網が協力してボトルネックへの対応を続けるにつれ、生産は上向き、価格上昇圧力は後退すると見込まれる。例として、材木価格は今春に付けたピークからは下げてきている」と説明。ただ、「ボトルネック解消までの時間は不透明だ。そうしたボトルネックは世界のサプライチェーンと業界特有の事情の両方を反映しているためだ」と記した。

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原題:Fed Policy to Provide ‘Powerful Support’ Until Recovery Complete(抜粋)

(第9段落以降に報告の内容を追加し更新します)
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