コンテンツにスキップする

中国人民銀、緩和姿勢に転換-予想超える幅で預金準備率引き下げ

更新日時
  • 準備率引き下げで約1兆元の流動性が経済に供給される-人民銀
  • 第2四半期GDP発表を控えるタイミング、成長見通しへの懸念示唆

中国人民銀行(中央銀行)は9日、大半の市中銀行の預金準備率を0.5ポイント引き下げると発表した。引き下げ幅は多くのエコノミストが予想していたより大きく、景気回復の足取りが鈍いことへの懸念の強まりを示唆した。

  人民銀の声明によれば、今回の措置により約1兆元(約17兆円)相当の長期流動性が経済に供給される。実施は15日。

More Cash to Lend

Reserve ratio cuts will allow banks to use more of their cash

Source: People's Bank of China

  中国国務院(政府)は今週、コスト高に苦しむ中小企業への融資を後押しするため、人民銀が預金準備率引き下げなどを通じて市中銀行への流動性提供を強化する可能性を示唆していた。

  しかし、今回の引き下げ決定は予想以上の幅である上に、4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)発表を15日に控えるタイミングで下された。エコノミストの間からは、景気見通しへの懸念と引き締め策からの明白な転換を示唆するものだとの分析が聞かれる。

Softening Growth

China's gross domestic product is expected to grow 8% in second quarter

Source: National Bureau of Statistics of China, Bloomberg

  みずほフィナンシャルグループのアジア外国為替チーフストラテジスト、張建泰氏は「人民銀は予想より広範囲にかつ早期に行動を起こした。中国経済を支える上での政策上の緊急性を浮き彫りにしている」と指摘。「確固たる姿勢の下で決められたこうした緩和措置は、今年下期の中国の成長見通し、および来週の第2四半期GDP数値を巡る懸念を一層強める可能性がある」と述べた。

  人民銀が前回、主要な預金準備率を引き下げたのは2020年に新型コロナウイルスの感染が最初に広がった時期。中国経済は力強く回復したが、ここへきて足踏みの兆しが出ている。商品相場の高騰が企業に打撃を与えているほか、消費者の支出抑制や新型コロナ感染の散発的な広がりを背景にサービス業が振るわない。

中国のサービス業、6月に急ブレーキ-国内コロナ感染が足かせ

  中国当局は一方で景気を過度に刺激することには慎重だ。人民銀は声明で、今回の預金準備率引き下げが「穏健な金融政策」の変更を意味するものではないと説明。「金融政策の安定性と有効性を堅持し、刺激策によって経済に流動性をあふれさせることはしない」と表明した。

  スタンダードチャータードの大中華圏・北アジア担当チーフエコノミスト、丁爽氏は「預金準備率の引き下げ幅は予想を超えた。今年上期の流動性供給に関する人民銀の非常に慎重なスタンスとはかなり対照的だ」と分析。「今回の引き下げを政策スタンス移行のサインと捉えるべきではないと人民銀が主張しても、市場は下期に金融政策が緩和方向に向かうと解釈するだろう」と述べた。

Stronger Lending

New loans now above the 2020 level which the PBOC had been targeting

Source: People's Bank of China

原題:China’s Central Bank Pivots to Easing as Growth Risks Build (2)(抜粋)

(詳細や市場関係者の見方を追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE