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【日本株週間展望】戻り歩調、緊急事態宣言で目先の悪材料出尽くし

7月2週(12-16日)の日本株は戻り歩調をたどる見込み。前週末にかけて相次いだ上場投資信託(ETF)の決算日に伴う分配金支払い目的の換金売りが一巡し、株式需給が落ち着く。東京都への緊急事態宣言の再発令が決まり、目先の悪材料が出尽くしとみた投資家の買いが期待できる。

  前週は新型コロナウイルス変異株の感染拡大が経済に与える悪影響を織り込む形で、米国市場で株高が一服し金利も低下基調となって投資家のリスク回避姿勢が強まった。国内では緊急事態宣言と同時に、東京五輪が1都3県の全会場で無観客開催となることが決まった。

  感染拡大に伴って浮上したこれら大きな問題が前週の株式相場の重しになったものの、道筋が付いたことで、7月2週は見直し買いを誘う展開になる見通しだ。1週のTOPIXは週間で2.3%下落した。

  リスク回避の度合いをみる上で米金利が下げ止まるかが焦点になる。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が金融政策について14日に下院金融委員会、15日に上院銀行委員会でそれぞれ議会証言する。景気減速懸念から米国金利が低下しており発言が注目される。日本銀行は15、16日に金融政策決定会合を開く。金融政策は据え置く見通しだ。

  海外の経済指標は、13日に6月の米消費者物価指数(CPI)が公表される。市場予想は前月比0.5%上昇、5月は同0.6%上昇だった。中国は15日に4-6月の国内総生産(GDP)を公表する。市場予想では前年同期比8%増、1-3月は前年同期比18.3%増と過去最大の伸びだった。

《市場関係者の見方》

岩井コスモ証券・投資調査部の有沢正一部長

  前週で新型コロナと五輪に関する悪材料は出尽くした。緊急事態宣言の再発令と五輪の無観客開催方針が決まり、来週からは誰が金メダルを取るかなど本来の五輪への関心が少しずつ盛り上がるだろう。米国金利もここまで下がると円高につながりかねず不安になる。金利低下で6月の米消費者物価指数は注目度は薄れているが、強めの結果なら金利の下げ止まりなど落ち着く材料になるだろう。

インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト

  海外投資家にとってサプライズとなった緊急事態宣言の発令はほぼ織り込まれたため、来週は不透明感を抱えながらも株式相場は反動もあって徐々に回復していく展開だろう。国内の経済状況はそれほど悪くなく製造業を中心に改善に向かってることが再認識される。ただ、6月の米CPIには注意が必要だ。警戒感が薄れているだけに、再び市場予想を大きく上回り、インフレ期待の上昇やFRBの早期の緩和解除につながる内容になれば株式相場が再び動揺する可能性がある。

TOPIXの推移
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