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G20、世界経済秩序の再定義へ-コロナ収束後見据え9、10両日に会議

  • 財務相と中銀総裁が国際的な法人税制や気候変動対策など議論へ
  • コロナ禍から回復途上の世界経済、国や地域で成長にばらつきも

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が9、10両日にイタリアのベネチアで開かれ、各国・地域は米国の政権交代も背景に、新型コロナウイルス禍収束後を見据えた世界の経済秩序の再定義に協調姿勢で取り組む。

  トランプ前政権時のような通商対立から解放されたG20は、コロナ禍中で初めてとなる対面での会議で、国際的な法人税制の刷新や気候変動対策など未完の課題についてコンセンサス形成に努めることになる。 

  このほか、新たな変異株の脅威にさらされ続け、回復途上の世界経済の現状把握も議題となる見通しで、インフレ高進懸念や原油相場の高止まりの中にあっても、成長支援で財政刺激策を継続する必要性に重点が置かれる可能性がある。

  ローマにあるグイド・カルリ社会科学国際自由大学の経済学講師、ロザマリア・ビテッティ氏は「G20の各国・地域にとって、相互に関連し合う世界にあって、一連の問題は世界的なものであり、ナショナリズムを排して協力して対処しなければならないことを今回のパンデミック(世界的大流行)がいかに浮き彫りにしたかを考える絶好の機会だ」と指摘した。

  フランスのルメール経済・財務相は6日に記者団に対し、「G20として引き続き責任を果たし、課題に対して具体的かつ抜本的で、新たな対策を講じることができるとベネチアで証明しなければならない」と語った。

  主な議題は次の通り。   

財政刺激策

  各国・地域の財務相・中銀総裁は、パンデミックの経済的打撃に対処するための現在進行中の取り組みについて議論することになりそうだ。政府支援の継続の必要性とインフレ定着の可能性の双方を取り上げることも想定される。

  米財務省当局者は6日の記者会見で、イエレン財務長官が他国・地域に対し財政措置を拙速に引き揚げることのないよう呼び掛ける方針であることを明らかにした。イエレン氏はまた、バイデン大統領のインフラ計画や労働者支援策、環境投資計画を説明し、経済成長促進を長期的に捉えるよう促す見込み。

成長格差

  新たな変異株が経済回復に及ぼす影響を巡り懸念が高まる中で、各国・地域は国々の間や地域間での過度の成長のばらつきを回避する方策も話し合う見通し。

気候変動

  G20は気候変動対策について長年にわたり一致できておらず、海面上昇で水没の危機に直面するベネチアの会議でもさらなる議論が繰り広げられる公算が大きい。

  イエレン氏は11日に別途予定されている気候変動に関する会議で講演し、この問題への対応には民間資金の取り込みが不可欠であるとの米国の見解をあらためて表明する可能性がある。

国際法人税制

  G20財務相は経済協力開発機構(OECD)での交渉を通じてまとまった15%の国際的な法人税最低税率と、世界的な大企業からの税収を分け合う新規則の合意に支持を表明する運びだ。

IMFのSDR拡充

  国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)拡充も議題となる見通し。世界の流動性を拡大し、新興国や低所得国が債務増大に対処するのを支援する。

原題:Quest to Define Post-Crisis Global Economic Order Gathers Pace(抜粋)

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