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OPECプラス決裂、供給不安に拍車-対立激化で「価格戦争」警戒も

  • 減産の計算基準となるベースラインにUAEが不満を示し合意できず
  • 協議決裂が昨年のような厳しい衝突に発展するかどうか予断を許さず

石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の対立を解消できず、8月以降の供給拡大に向け生産調整を行う閣僚級会合の中止に追い込まれ、危機的状況に陥った。

  OPECプラスは新型コロナウイルスの感染が拡大しつつあった昨年3月に協調減産強化で合意に失敗し、サウジが増産と大幅値下げを仕掛ける「価格戦争」に突入した。原油先物価格は既に1バレル=80ドルを目指し上昇しており、今回の協議決裂が昨年のような厳しい衝突に発展するか予断を許さない。

  インフレ圧力が高まる中で世界的に安定した景気回復を保てるか、OPECプラスが苦労して獲得した原油市場の支配力を維持できるかどうか、いずれも今後の動きで決まってくる。

サウジ、生産能力1300万バレルに増強指示-「価格戦争」緩む気配なし

  イラクのアブドルジャバル石油相は、「われわれは価格戦争を望まない。原油価格が今の水準を上回って値上がりすることも望んでいない」と述べた。

  減産の計算基準となるベースラインにUAEが不満を示し、8月から毎月日量40万バレルずつ供給を増やす減産縮小の暫定的な合意が覆された。サウジとUAEは昨年12月にも石油政策を巡り衝突し、UAEはOPECプラス離脱も一時持ち出したがその後休戦。しかし今回の決裂は非常に深刻で、OPECプラスは次回会合の日程も決められなかった。

OPECプラスは合意に至らず、5日の会合中止-原油相場急伸

  直接の影響は、8月に予想されていた供給の拡大が実現しないということだ。UBSの商品アナリストジョバンニ・シュトーノボ氏は「原油市場は既に供給不足の状態にあり、需要の伸びに供給が追い付いていない」と分析し、OPECプラスによる現行の生産抑制が続くことで価格が押し上げられる可能性が高いと予想した。

  中期的には産油国が優位に立とうと増産に動き、対立が原油安という逆の効果をもたらすことも考えられるが、こちらの可能性は低いとシュトーノボ氏は指摘した。

原油価格先物は1バレル=80ドルに向かっている

原題:OPEC+ in Crisis as Specter of Harmful Infighting Looms Again (1)(抜粋)

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