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デルタ変異株の流行で新興国間に格差、南アやロシアの通貨を下押しも

  • 変異株の感染拡大の影響はワクチン接種率で大きく異なるとの見方
  • 南アとコロンビアは感染者急増による影響で金融政策引き締め期待薄

今年は一握りの新興国通貨が対ドルで上昇を保ってきた。しかし、新型コロナウイルスで感染力の強いデルタ変異株の流行によって途上国に新たな格差が生じる中、そうした通貨の数は数週間以内に減る可能性がある。

  クレディ・アグリコルCIBによると、南アフリカ共和国やロシアなどワクチン接種率の低い国が行動制限を強化し、経済活動が打撃を受けることで通貨が下押しされる恐れがある。南ア・ランドとロシア・ルーブルは今年に入って好調な時期もあったが、6月はMSCI新興国通貨指数を押し下げた。同指数の騰落率は先月、3カ月ぶりにマイナスとなった。

  クレディ・アグリコルの新興国市場調査責任者セバスティアン・バルブ氏は「ワクチン接種状況は下期にますます新興国の差別化の要因になるだろう」とした上で、経済・政治的要因とともに「ワクチン接種率によって変異株の流行拡大の影響は大きく異なるだろう」と指摘した。

Hanging On

A handful of emerging-market currencies are maintaining YTD gains

Source: Bloomberg

  ランドとコロンビア・ペソは新規感染者数の急増による影響を受けており、金融政策引き締めは期待薄となっている。 また経済も大打撃を受けている。南アでは過去100年で最も深刻な縮小に見舞われた経済が、行動制限強化でさらに圧迫されている。コロンビアは増税計画の棚上げでフィッチ・レーティングスの信用格付けがジャンク(投資不適格)級に引き下げられた。

コロンビアの格付けをジャンク級に引き下げ-フィッチ

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)の2日付リポートによると、接種率がデルタ株の流行抑制に必要な水準とされる50%に近い途上国はチリや中国、イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)、中・東欧諸国など少数にとどまる。

  一方、接種率が約5%にとどまる南アは、とりわけ遅れが目立つと同行のクロス資産戦略責任者、デービッド・ハウナー氏は指摘。南アは現行のペースでいくと、接種率が50%に達するのは2023年までかかる見通し。コロンビアも接種完了の割合が11%にすぎず、チリやメキシコ、ブラジルより低い。

A number of emerging markets are seeing a spike in Covid-19 infections

原題:Delta Variant Creates Emerging Markets Gap as Outperformers Hit
(抜粋)

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