コンテンツにスキップする

8000億円超の株売り圧力か-ETF7月決算、分配金支払い過去最大に

7月上旬は株式の需給が緩みやすい。株価指数に連動する上場投資信託(ETF)が分配金を支払うために売却する必要があるからだ。今年の売り需要は8000億円を超え、過去最大になるとの試算が出ている。

  6月最終週から株式相場が弱含みになっているのは、ETFの換金売りを意識して先回り売りを出している投資家もいるのだろうーー。東海東京調査センターの仙石誠マーケットアナリストは、前年までは相場が下がると入った日銀のETF買いが今年は乏しく、ETFの換金売りと買い手不在が相まって需給への警戒心が出ていると話す。

■7月上旬は上値が重い-過去5年のTOPIX

relates to 8000億円超の株売り圧力か-ETF7月決算、分配金支払い過去最大に

6月末を基準にした変動率(出所:Bloomberg)

  ETFの決算では、投資した株式の配当などから費用を除いた金額が分配金になる。決算日は分配金支払いの基準日になるため、運用会社はETFを決算日に保有している受益者に分配金を支払うことになる。この支払いに充てる現金を用意するために株式を売却する必要がある。

  売却はあらかじめ少しずつすればいいものだが、そうはいかない。株価指数との連動性を保つために運用資産を減らすタイミングは決算日が基準になるからだ。そのため、TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価に連動するETFの決算日が多い7月上旬の売り需要に関心が集まる。

  大和証券の橋本純一シニアクオンツアナリストらの推計によると、8日が決算日となるETFが分配金支払いのために解消するポジションは約3300億円、9日は約5000億円になる見込みだ。

TOPIX・現物TOPIX・先物日経平均・現物日経平均・先物
8日約600億円約860億円約780億円約1030億円
9日約1910億円約2570億円約240億円約310億円
(出所:大和証券)

  21年の主なETFの分配金総額は前年比15%増の約8300億円。19年の約6300億円、20年の約7200億円から大幅に膨らみ、過去最大になるという。東証1部売買代金の2営業日分と比較しても重みを増している。6月の平均売買代金で試算すると、分配金が占める比率は昨年の15%から17%に上昇する。

  分配金が過去最大になるのは、日本銀行が買い入れを進めて残高が膨らんだ結果だ。投資信託協会が公表したETFの純資産総額は5月末で60兆5200億円。この1年で36%増加した。

日銀買い入れで

  SMBC信託銀行の佐溝将司シニアマーケットアナリストは「日銀がETFを買っている影響でポジション解消規模は少しずつ増えている。今年も昨年以上の売り圧力による需給悪化が意識される」と語った。

  もっともETF資金の流れが株式市場に与える影響は流動的だ。日銀は3月の金融政策決定会合で、ETFを「年6兆円」買い入れる目安を削除し、対象はTOPIX連動型に限定した。5月はETFの買い入れを見送った。来年以降は、日経平均型を中心に換金売り圧力の拡大ペースが鈍る可能性はある。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE