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IPO市場に前例ないブーム、1-6月は半期過去最大の約39兆円規模

  • 株式相場の記録的高値で好機生かそうと企業がIPOに殺到
  • 1-3月期に米国IPOの原動力だったSPAC上場は減速

株式相場の記録的高値でチャンスを生かそうと、企業がかつてないペースで株式公開を急いでいる。

  ブルームバーグの集計データによると、今年1-6月の新規株式公開(IPO)規模は合わせて過去最高の約3500億ドル(約39兆円)。2020年後半に記録した2820億ドルを上回り、起業家とバンカーを潤している。

  昨年のIPOラッシュが始まった当時は、在宅関連のテクノロジー企業が圧倒的で、デジタル関連なら何でも投資家の関心を引いた。特別買収目的会社(SPAC)のIPOも相次いだ。今年は、株式相場が高騰を続ける中で、再生可能エネルギー企業やオンライン小売業者にもこうしたトレンドが広がっている。

  ビーガン(完全菜食主義者)向け食品・飲料メーカー、スウェーデンのオートリー・グループやブーツメーカーの英ドクターマーチンなどさまざまな業種の企業が2021年に株式を公開したものの、IPOの大部分はテクノロジー企業。中国の配車サービス大手滴滴出行は最大40億ドル規模の計画を実施すれば、米IPOとしては過去10年で最大級となる。

  ゴールドマン・サックス・グループの日本以外のアジア担当ファイナンシング・グループ責任者アーロン・アース氏は、「ニューヨークから香港まで今年前半の市場は熱狂的で、1990年代後半のインターネット株ブーム時代さえも過去の物となっている」と指摘した。

Riding High

Stocks in hot sectors like tech and renewables top the charts this year...

Source: Bloomberg

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  株式公開ブームは中央銀行による経済への大量資金供給や、お気に入り企業の株式取得に意欲的な個人投資家の台頭が背景にある。

  こうした活況は世界の投資銀行に引受手数料などの恩恵をもたらしている。今年の世界のIPOリーグテーブルではゴールドマンとシティグループが首位と2位に並んだ。

  ただ、非常に多くの企業が上場を急いでいるため、市場には飽和の兆候も見え始めている。投資家はえり好みする余裕があるとし、IPO市場に殺到する急成長企業が求める高いバリュエーションを払うことには一段と消極的な姿勢だ。

  その結果、多くの注目株が今年、上場時につまずいており、失敗を恐れてIPO計画を撤回する企業も出てきている。ロシアのノード・ゴールドは22日、市場の不確実性と金価格の変動を理由にIPOを延期すると発表。ジェンワース・ファイナンシャルは先月、住宅ローン保険部門エナクト・ホールディングスの米IPO計画を先送りした。

Down and Out

...while those investors deemed too pricey bring up the rear

Source: Bloomberg

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  ドイツ銀行の欧州・中東・アフリカ担当株式資本市場共同責任者サディ・スダバ氏は、「投資家の間にはある程度の買い疲れ感があり、選別を強めている。結局の所、記録的な1年であるため、複数の案件から選ぶことができる」と指摘した。

  SPACの上場に対する投資家の関心もすでに後退している。SPACは1-3月(第1四半期)のIPO調達額の半分近くを占めたが、今四半期は約13%に縮小した。SPAC上場を追跡する指数は2月の高値から23%下落。規制強化も市場センチメントに打撃を与えている。

原題:
The IPO Market Has Never Been Hotter Than It Is Right Now (1)(抜粋)

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