コンテンツにスキップする
Subscriber Only

ソフトバンクG出資の滴滴出行、中国の締め付けでIPO台無しも

更新日時
  • 滴滴出行、米IPO仮条件の上限なら企業価値670億ドルへ
  • 投資家、重大だが定量化できないリスクに二の足を踏む可能性

ソフトバンクグループが出資している中国の配車サービス大手、滴滴出行は中国の規制当局や新型コロナウイルス感染拡大との闘いを経て、米国の新規株式公開(IPO)としては過去10年で最大級の案件を成し遂げようとしている。ただ、ここにきて中国政府が再び計画を台無しにする恐れが浮上している。

  滴滴出行は最大40億ドル(約4400億円)規模の米IPOを目指しているが、かつてのライバルと同様、同社は従来の目標よりもかなり小規模の企業価値での株式公開とすることを余儀なくされた。

Ride-Hailing Firm Didi Reveals $1.6 Billion Loss Before IPO

滴滴出行のアプリ

  米証券取引委員会(SEC)への24日の届け出によれば、滴滴出行は2億8800万米国預託株式(ADS)を1ADS当たり13ー14ドルで募集する。届け出に掲載された発行済み株式数に基づくと、IPO価格が仮条件の上限で決まった場合、企業価値は約670億ドルとなる。

  これは2019年に行った前回の資金調達ラウンドでの価値を辛うじて上回るが、最も強気な見通しの1000億ドルを大きく下回る。18年に同社の相乗りサービス「順風車(ヒッチ)」の利用者が運転手に殺害される事件が発生して以来続く規制当局の監視を反映したものとみられる。 

  北京に本拠を置く滴滴出行はその後、ネットワークのセキュリティー改善策を講じて当局の取り締まりに対応。配車サービスの伸び悩みを補うため車の修理や食料品配達など新規ビジネスも開拓した。都市の経済活動が停止状態となったコロナ禍でこうした取り組みが奏功し、1-3月(第1四半期)決算では8億3700万ドルの利益を計上した。

  しかし同社は今、より大きな脅威に直面している。中国のインターネット企業への独占禁止法調査の行方は滴滴出行やテンセント・ホールディングス(騰訊)などに不確実な結果をもたらしている。

  カイユアン・キャピタルのブロック・シルバーズ最高投資責任者(CIO)は、「最近の多くの中国企業のIPOでは黒字企業が少なかったが、滴滴出行は実際に第1四半期に利益を計上した」と指摘。ただ、「中国の非公開かつ不服申し立て不可能な規制プロセスが重大なものとなる可能性もあるだけに、投資家はこうした重大だが定量化できないリスクに二の足を踏んでいるかもしれない」と分析した。

  事情に詳しい複数の関係者がブルームバーグ・ニュースに語ったところでは、滴滴出行はIPOへの応募を予定より1日早い28日に締め切る計画だ。29日の米株式市場の取引終了後に条件を決定する予定という。会社の担当者はコメントの要請にこれまでのところ返答していない。

関連記事

原題:Didi IPO Ambition Marred by China Crackdown, Cash Burn Fears (2);

Ride-Hailing Giant Didi Said to Close U.S. IPO Books a Day Early(抜粋)

(応募を早めに締め切るとの情報を追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE