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日本でアクティビスト活発に、東芝報告書が刺激-物言う株主のAVI

  • 舞台裏表面化で日本の当局が企業統治改革に積極的に介入すると期待
  • 6月総会企業への株主提案数は22日時点で162件-三菱UFJ信託

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「アクティビストは日本での活動により自信を持って取り組めるようになるだろう」。昨年の東芝の株主総会を巡り、海外株主への不当な圧力を指摘した調査報告書を受けて、物言う株主として知られる英アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)のジョー・バウエルンフロイント最高経営責任者(CEO)はこんな見方を示す。

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アクティビストは日本での活動により自信を持つとAVI

  バウエルンフロイント氏はブルームバーグとのインタビューで「日本社会は必ずしも透明性が高いとは言えなかった」とした上で、「今回、舞台裏で起きていたことが表に出たことで、日本の当局が事態を真摯(しんし)に受け止め、企業統治改革が歩みを止めないように積極的に介入するだろうと期待の持てる内容だった」と分析した。

  東芝は10日、筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが選任した外部弁護士による調査報告書を公表した。2020年の定時株主総会でのアクティビストへの対応について、経済産業省に支援を要請し、改正外為法に基づく権限発動の可能性などを背景とした不当な影響を一部株主に与えていたという。総会が公正に運営されたものとは言えないと結論付けた。

  同報告書に対しては、香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントのセス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)が「日本のコーポレートガバナンスが試されているという意味で重要だ」と指摘。海外投資家からは、東芝だけではなく日本企業全体の問題として今後の対応に注目が集まっている。

  東芝は25日午前10時から都内で定時総会を開く。AVI自身は東芝株を保有していないが、バウエルンフロイント氏は一連の動きを「関心を持って見守っている」と述べた。

  一方、AVIは東京ラヂエーター製造など6月に総会を開く3社に株主提案を行った。東ラヂエタに対しては、親会社で、米投資ファンドKKR傘下の自動車部品会社マレリへの約55億円の預け金が不透明で巨額だと批判、その大半を原資として株主に1株当たり370円の特別配当を実施する案など4議案を提出した。

  東ラヂエタ取締役会は預け金に資金の拘束性がないなどと反論し、4議案すべてに反対を表明。議案によって違うが、可決には出席株主の過半数から3分の2の賛成が必要となる。

  バウエルンフロイント氏は「勝てないのは分かっているが、大株主の支配によっていかに少数株主が虐げられているかを日本の投資家に広く知ってほしかった」と意図を説明。KKRに対し、企業統治改革の支持者として、上場子会社という構造が引き起こす東ラヂエタのガバナンス不全について、何らかの見解を公表するべきだと述べた。東ラヂエタも25日に定時総会を開催する。

  三菱UFJ信託銀行の集計によると、6月に定時総会を開催する企業への株主提案総数は22日時点で162件。昨年までの5年間平均(181件)と比べて1割減ったものの、物言う株主の存在感は強まっている。

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