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東芝・永山議長の再任が焦点に、専門家の評価は二分-あす株主総会

  • 「信じられる外部改革者」、「職務遂行に疑念も」との両論聞かれる
  • 私利私欲なく、経営哲学・科学を併せ持つ人材をトップにと識者

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東芝が25日に定時株主総会を開く。昨年の定時総会は公正に運営されたとは言えないとの弁護士による調査報告を受け、一部株主から監督責任を問う声も上がる永山治取締役会議長の再任が焦点となる。有識者の間では永山氏に対する評価は二分されている。

  調査は筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが提案した。東芝は調査報告を受け13日に取締役2人の退任を急きょ発表。定時総会では、綱川智社長兼最高経営責任者(CEO)、畠沢守副社長と永山氏ら社外取締役9人の計11人の取締役選任を諮る。新たな取締役に求められるのはコーポレートガバナンス(企業統治)の改善だ。

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東芝は25日に定時株主総会を開く

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  調査では東芝と経済産業省が一体となり、議決権行使を妨げるような行為があったと指摘。東芝は監査委員会が実施した調査で、そのような行為は発見されなかったと結論付けていた。昨年の定時総会で議長も務めた車谷暢昭前社長は、株主との関係悪化や社内での信任低下を受け、4月に退任に追い込まれた。

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  「永山議長らは株主から信任を得るために頑張ってほしい。信任は得られると思う」と話すのは、慶応義塾大学大学院の小林喜一郎教授(組織戦略論)だ。中外製薬の経営トップやソニー取締役会議長を歴任し、企業経営を良い方向に向けた功労者で「非常に信じられる外部改革者」だと言う。

  東京都立大学大学院の松田千恵子教授(企業戦略)も「いま永山氏がいなくなったらさらに東芝は迷走するのではないか」と指摘。東芝が今後、車谷氏らの責任を追及する上で、「何をやったかを知っている人が残るという意味でも、一掃すれば済むという問題ではない」との認識を示した。

承認に反対の動きも

  東芝の取締役選任議案を巡っては、議決権行使を助言する米2社が永山氏ら一部取締役の選任に反対を推奨。ノルウェー銀行インベスト・マネジメントは、永山氏の再任に反対の議決権を行使したと公表した。同社ウェブサイトによると20年末時点で東芝株式の1.3%を保有する。

  企業統治に詳しい牛島信弁護士は、永山氏の再任は「厳しい」とみる。海外投資家は、取締役会議長や指名委員会委員長としての職務遂行能力に疑念を持っているとし、「選任されなかった場合は、不信感の強さが表れたことになる」と話す。

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  今回の定時総会で議長を務める綱川社長は、退任した車谷氏に代わり、株主との対話を重視しながら企業価値の向上を目指す姿勢を示している。

ポスト綱川氏

  永山氏は18日、書簡を公開し、一連の混乱を陳謝した上で、「ガバナンスを抜本的に改善し、当社の企業価値向上に向け全力で取り組む」と表明。第三者が参加する調査も行い再発防止策を講じてコンプライアンス(法令順守)の文化を築くとし、「前向きな変革者であり続けることを約束する」とも述べた。

  東芝は定時総会後に改めて臨時総会を開催し、取締役を選任する方針だ。永山氏は書簡で「株主の視点も取り入れつつ、優れた経験を持つ独立社外取締役」の人選を進めるという。綱川氏の後任として、今後の変革をけん引できるCEOの選定を急ぐ方針も示した。

  松田教授は、綱川氏らが退いた後の東芝のかじ取りは、「社内外を問わず、私利私欲なく、経営哲学と経営科学を併せ持つ本来の経営者に担ってほしい」と指摘。インテグリティー(誠実さ)や有事を仕切る力も求められると述べた。

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