コンテンツにスキップする

米金融当局はインフレリスクに対応を-カプラン、ブラード両連銀総裁

更新日時
  • NY連銀総裁は引き続き一時的要因が作用していると認識
  • 米経済になお過熱リスク、引き締め開始をと資産家ダリオ氏

1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら

米金融当局の政策見通しはインフレリスクに一段と対応させる必要があると、複数の有力者が21日に指摘した。

  ダラス連銀のカプラン総裁は債券購入のテーパリング(段階的縮小)プロセスを「すぐに」開始することを支持すると発言。セントルイス連銀のブラード総裁は、政策当局が先週テーパリングの議論を始めることにしたのは「適切」だとの認識を示した。

  ブラード総裁は公的通貨金融機関フォーラム(OMFIF)が主催したイベントで、「こうした状態がどう展開していくのか、実際には誰にも分からない。インフレ上振れリスクがあり、それがさらに高進するとの見方に備えなくてはならない」と話した。

セントルイス連銀のブラード総裁

Source: Bloomberg)

  OMFIFのイベントで発言したカプラン総裁は「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を乗り越えて当局の目標を達成する方向で前進している」と述べ、「米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の購入を早期に調整し始めるのが一層健全だと思う」と語った。

  一方で、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はこの日、インフレ率の最近の上昇を一時的なものと引き続き受け止めているとして、より落ち着いた見方を示した。同総裁はバーチャルイベント向け講演テキストで「物価の反転と経済再開に伴う短期的な不均衡の影響が一巡すれば、インフレは今年の3%前後から来年と2023年に2%近くに鈍化すると予想する」と述べた。同総裁はさらに、高水準の失業率もインフレの勢いを抑制するだろうと付け加えた。

  ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は連邦公開市場委員会(FOMC)で常に投票権を持つが、カプラン総裁とブラード総裁は今年のFOMCで投票権を持たない。

過熱リスク

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は16日のFOMC終了後の記者会見で、当局が今後の会合で債券購入縮小の時期と方法を議論することを明らかにした。同日公表されたFOMCの最新金利予測分布図では、多くの当局者が利上げ時期の予想を前倒しし、中央値で23年に2回の利上げ見通しが示された。

  政府の財政刺激策と経済再開で景気が過熱しインフレを招く恐れを警告していた評論家らもこの日、米金融当局の先週のタカ派姿勢転換に支持を表明。カタール経済フォーラムで発言した資産家レイ・ダリオ氏は、米金融当局が比較的控えめな行動で望む結果を得られるとの見方を示した。

  世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者であるダリオ氏は「金融当局が引き締めに動くべきだと言うのはたやすいし、そうすべきだと私は思う」としつつも、「資産のデュレーションが極めて長くなっていることから、市場と経済は非常に敏感になると考えられる」と語った。

  サマーズ元米財務長官も同フォーラムで、「2月時点では、今年はインフレ率が2%を若干上回る水準になるという見方で市場予想の専門家らはほぼ一致していた」とした上で、「今年最初の5カ月間で既にそれを上回るインフレとなっている」と指摘した。

  その上で、そうした状況を見ると「専門家らは予想を修正するだけではなく、大きく外れた予想につながった誤った分析についても考えるべきだ」と語った。

関連記事

原題:Kaplan, Dalio, Bullard Echo Call for Fed Pivot Toward Inflation(抜粋)

(地区連銀総裁らの発言を追加します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE