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パウエル議長、22日に下院証言-ドット・ショックで揺れる市場が注視

  • パウエル氏は米東部時間22日午後2時から下院公聴会で証言
  • 米金融当局の新たなアプローチ、インフレ懸念が重しに

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米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、広範で包摂的な雇用増を目指すことにコミットした金融政策の新たな枠組みと、金融当局自身が示しているインフレ懸念との間でどのように折り合いをつけるのかー。投資家は注視している。

  先週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合を受け、雇用増加を目指しながら物価上昇を抑える当局の新たなアプローチを巡り、市場関係者の間で混乱が生じた。18日にはセントルイス連銀のブラード総裁が2022年に利上げが必要になる可能性を指摘。今週はニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁やボストン連銀のローゼングレン総裁ら複数の当局者が公の場で発言する予定で、当局のより明確なメッセージが得られる可能性がある。

ブラード総裁、来年に米利上げ開始の可能性も-インフレ高進で (1)

  パウエル議長自身は22日に下院特別小委員会の公聴会での証言に臨む。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けた米金融当局の経済支援策について、最新の情報を基に説明を行う。

Fearing Inflation

Fed policy makers are increasingly concerned that prices will rise more

Source: Federal Reserve Summary of Economic Projections

  市場で渦巻いている疑問点の幾つかは以下のようなものだ。

ドット・プロット・ショック

  米金融当局が最新の四半期経済予測を通じてインフレリスクへの懸念の強まりを示したことに、投資家は不意を突かれた。金利予測分布図(ドット・プロット)の予測中央値で、2023年末までに2回の利上げが見込まれていることが分かった。3月時点の中央値では同年中の利上げ予想はなかった。

  ドイチェ・バンク・セキュリティーズのシニアエコノミスト、ブレット・ライアン氏は「インフレ指標に対する反応には驚かされた」と指摘。「全てを単に一過性だとして片付けるのでなく、インフレに関するコミュニケーションにおいて、もう少しバランスを取りたいとのパウエル議長の認識を意味する」と論じた。

The Fed's New Dot Plot

金融政策の新たな枠組み

  先週のFOMC会合ではまた、昨年8月に導入した金融政策の新たな枠組み内での政策の優先度合いが明らかになった可能性がある。

  会合前の14日に発表されたニューヨーク連銀の家計調査によれば、向こう3年のインフレ率予想は3.6%に上昇し、2013年以来の高水準となった。FOMCは今年のインフレ率を3.4%、2022年が2.1%、23年を2.2%とそれぞれ予想している。

  ダートマス大学のアンドルー・レビン教授(経済学)は「向こう数年間のインフレ率が3%近くになると消費者が予想し続けているなら、実際のインフレ率は2%を優に超えることになる」と指摘した。

  FOMCの予想通りとなるには、今年後半のインフレは前半のそれを下回る必要がある。レビン教授は「今後数年、インフレはFOMCの目標を大幅に上回る公算の方が大きいようだ」と述べた。

雇用

  インフレに関する米金融当局のディフェンシブな姿勢は、完全雇用に対する当局の楽観への疑問も生じさせた。

  FOMC予測は、失業率が23年にはパンデミック前の水準である3.5%に低下することを示しているが、なお数百万人が失業状態にある中でその達成は困難になるかもしれない。

  KPMGのチーフエコノミスト、コンスタンス・ハンター氏は「容易に達成できる目標は既に手に入れてしまっており、現在は数百万人の再雇用を巡る問題に悩まされている状態だ」と分析。インフレリスクの高まりや労働市場の構造的問題に直面した場合、米金融当局は緩和的な借り入れコストと景気回復軌道を維持するためインフレ上昇の容認に傾くとの見方を示した。

原題:Powell Heads to Capitol Hill as Market Churns on Dot Shock (1)(抜粋)

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