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テーパリングにタントラムの根拠なし、米株強気派のETF投資活発

  • QE終了でS&P500種への打撃は3%、2桁の増益率予想で相殺か
  • 13年のテーパー・タントラム、S&P500種の30%上昇を妨げず

中央銀行の政策当局者が債券市場への流動性供給を緩めるとの考えは、何年にもわたり株式投資家の頭上に剣のようにぶら下がっていた。少なくとも企業収益のレベルでは、通常認識されるよりも苦悩する理由は少ないかもしれない。

  UBSグループの調査分析では、米連邦準備制度が年間1兆4000億ドル(約154兆円)規模の量的緩和(QE)の蛇口を閉めた場合、S&P500種株価指数への打撃は3%の値下がりだと試算された。これは同指数構成企業にとっては微々たる逆風にすぎず、アナリスト予測では向こう2年の増益率は年10%程度と見込まれている。

  こうした予測の精度が弱いことはよく知られているが、米金融当局のタカ派姿勢が着実に強まる中での個人投資家の決意の一部を正当化するものだとされる可能性もある。ブルームバーグの集計データでは、株式強気派は過去1週間に株式上場投資信託(ETF)に280億ドルを投じた。これは2021年平均の約3倍だ。

UBS expects resilient corporate earnings to offset impact from Fed taper

  資金流入は米金融当局の政策転換が景気改善によるものだという確信の表れで、企業収益の持続的回復には朗報でもあると、スチュワート・キャピタル・アドバイザーズのマルコム・ポーリー社長兼最高投資責任者(CIO)は指摘する。

  ポーリー氏は電話インタビューで「状況が十分に改善され、緊急措置を講じる必要がないとのサインであり、多くの点で、それは好材料と受け止められるだろう」とコメント。 「人々は予想される収益率に注目している。『現金ではゼロになる』し、『債券ではゼロから中程度のマイナスになる』ため、少なくとも多少のリターンを得られると期待できる所に資金を投じよう」と語った。

  米株式相場はここ1週間、比較的安定して推移し、S&P500種は最高値から2%以内の水準にとどまっている。連邦公開市場委員会(FOMC)の金利予測分布図では、利上げ時期が従来予想より前倒しされ、2023年末までに2回の利上げが織り込まれた。パウエルFRB議長は債券購入のテーパリング(段階的縮小)議論が始まりつつあると明らかにした。

FOMCのテーパリング時期が今後の焦点に、金利予測でサプライズ後

  UBSのストラテジスト、キース・パーカー氏は、企業収益予想の引き上げが加速すると見込まれる中、テーパリングによる打撃は容易に吸収できるとみる。パーカー氏はこれから年末までの間に、向こう1年の利益のアナリスト予想が17%高まるとの見方を示し、「利益が逆風を相殺する」とインタビューで述べた。

  株式強気派はテーパリングを味方につけた歴史がある。13年に米金融当局が景気刺激策の縮小を明らかにして米10年国債利回りの急騰を招いた。これは「テーパー・タントラム(かんしゃく)」と称され、S&P500種も同年5月のピークから6%近く下落したが、数週間でフルに回復して上昇を続け、通年では結局30%高で終了した経緯がある。

Stocks have shown mixed performance when interest rates rise

原題:
Taper No Grounds for Tantrum to Stock Bulls Wielding $28 Billion(抜粋)

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