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試される金融ハブ、香港当局がCLSAの業務調査に着手-関係者

  • 香港証券先物委、中国華信能源債の保有者からの苦情を踏まえ調査
  • 香港当局が有力な中国国有企業の事業を本気で調べるかを測る試金石

香港証券先物委員会(SFC)は中国のエネルギー会社が発行した社債の引き受け業務でCLSAが投資家を欺いたとすると申し立てについて調査している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  SFCの執行部門が最近、社債保有者からの苦情を踏まえ調査に着手したと関係者が非公開情報だとして匿名を条件に語った。

  SFCがCLSAによる不正の証拠を得ているかどうかは不明。香港に本社を置くCLSAは、中国国有の証券会社、中信証券(CITIC証券)に2013年に買収されている。

  債券保有者の主張は、中国華信能源(CEFCチャイナ・エナジー)向けにCLSAが引き受けた16年のドル建て債に関連するもので、この社債を購入した何人かの投資家はCLSAと同社の親会社が投資家を欺き、利益相反の開示を怠り、債権者を不利にする裏取引を華信能源としていたと訴えている。これらの投資家には個人口座で華信能源債を購入した元CLSAマネジングディレクターも含まれている。華信能源は18年に破綻した。

元CLSA幹部が社債引き受けで不正あったと主張-香港SFCに書簡

  CLSAの広報担当者はブルームバーグからの質問に対し、機密保持ルールがあるとし「SFCによる進行中の調査があるかどうかについての質問にはコメントしないのがポリシーだ」と述べた。SFCはコメントを控えた。

  元CLSA幹部のキャシー・リウ氏はSFCに宛てた今年1月13日の書簡で、華信能源との取引でCLSAは「あからさまな」不正行為をしたと指摘。CLSAは発行分2億5000万ドル(現行レートで約275億円)の60%をカバーする投資家需要しかないことを開示せず、残りは同社が自己資本で購入したとしている。

  同氏ら他の社債保有者からの主張の詳細は、ブルームバーグデットワイヤが先に報道し、この問題に対する関心が香港金融界で高まっている。香港当局が有力な中国国有企業が所有する事業を本気で調査するつもりがあるかどうかを測る試金石とみられていることがその理由の一端だ。

  中国の中央政府が香港問題への介入を強める中で、金融ハブとしての香港の監督システムが機能するのか見極めようと投資家はこうした事案を注視している。

  元米連邦準備制度の銀行検査官でコーポレートガバナンス(企業統治)や企業倫理などの分野に詳しいマーク・ウィリアムズ米ボストン大学教授は「華信能源債の保有者は大きな経済的損失を被っており、この国有証券会社が果たした役割とその行動を調べることが重要だ」と語った。

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原題:Hong Kong Investigates CLSA Bond Deal After Investor Complaints(抜粋)

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