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住宅価格が世界最高の香港、先行き懸念の中でも不動産需要は依然旺盛

  • 国安法制定による懸念でも新築物件に買い手殺到、倍率88倍の住戸も
  • 英国への移住増加による悪影響は軽微の公算-JLLのウォン氏

世界で最も高額な不動産市場の勢いが止まらない。

  景気低迷や、何年にもわたる政治的混乱を受けた海外移住の波にもかかわらず、香港の住宅需要は豪邸から狭いアパートまで、依然として満たされていない。

  恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド・デベロップメント)が手掛けたプロジェクト「ジ・アッパー・サウス」では13日、計2億4800万香港ドル(約35億円)相当の新築物件45戸が数時間で売れた。新世界発展(ニューワールド・デベロップメント)の「ザ・パビリオン・ファームIII」は非常に人気が高く、1つの住戸に88人の購入希望者が殺到。1997年以来最も需要の高いプロジェクトとなった。

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パビリア・ファームの完成予想図

  香港の不動産価格は2019年半ばに付けた史上最高値付近で推移している。中原地産代理によると、10大住宅団地の中古市場の取引は21年前半に200億香港ドルを上回り、23年ぶりの高水準になる見込み。

  新型コロナウイルス禍に見舞われた経済のてこ入れで導入された超低金利政策が不動産市場の熱狂をあおっているのは香港だけではないが、香港の粘り強さは予想に反する動きだ。19年の大規模抗議デモや、翌年の香港国家安全維持法(国安法)の制定は香港の将来を巡る不安を高めた。英国海外市民(BNO)旅券に付与されるビザ(査証)を利用し英国に移住が大量に相次ぐ可能性は、不動産販売への懸念を増大させた。

Home prices are set to break record set in 2019

  しかし、750万人が暮らす香港ではこうした懸念は根拠に乏しく、スペースは依然貴重で、住宅需要は供給を上回り続けている。

  ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)の大中華圏の調査責任者ネルソン・ウォン氏は「移住がより高い水準になれば、住宅価格には不都合かもしれないが、悪影響は軽微である可能性が高い」と指摘。 「深刻な需給不均衡という現在の困難な状況を好転させるほどではない」と語った。

  市場の強さは香港の不動産開発業者や経済を勇気づける兆候だが、問題も突きつけている。価格が一段と上昇すれば、住民の52%しか住宅を所有していない香港で、より手頃な水準に住宅価格の抑制を政府に迫る圧力が強まりかねない。習近平国家主席の目には不動産価格の高騰が社会的不満の源泉に映っており、中国は地元の当局者や企業に価格安定化を求めている。

  CBREグループによると、香港の平均不動産価値は2020年6月時点で世界最高の125万ドル(約1億3700万円)だった。

Housing Hardship

Hong Kong remained the world's least affordable housing market for 11th year

Source: Urban Reform Institute and Frontier Centre for Public Policy

Note: Median home price as a multiple of median income in 2020

原題:
World’s Most Expensive Housing Market Grinds Toward Record High(抜粋)

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