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クレディSとUBS、景気後退時に「大きな」損失も-スイス中銀

  • 必要な資本を持ち、リスク管理が適切なことが重要-ヨルダン総裁
  • 大きすぎてつぶせない銀行向けの資本要件が必要-金融安定報告書

スイスの2大銀行、UBSグループクレディ・スイス・グループは、米国やユーロ圏のリセッション(景気後退)によって大きな損失を被るリスクがある。スイス国立銀行(中央銀行)が17日公表した年次の金融安定報告で指摘した。

  両行は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)にあっても底堅さを示したものの、コロナ危機は巨大な衝撃や想定外の不確実性急上昇が銀行事業には繰り返され得るものであることをあらためて示したと中銀は戒めた。

  米ファミリーオフィスのアルケゴス・キャピタル・マネジメントのポジション破綻で国内2大銀行がいずれも損失を被ったことを受け、スイス当局は両行を精査している。特にクレディ・スイスはアルケゴスに加え英グリーンシル・キャピタル破綻の影響もあり、まだ危機モードにある。

  ヨルダン総裁はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「ある種の事業分野で活発に動いていればリスクがあることは明白だ。必要な資本を持ち、リスク管理が適切で、リスクを管理する能力があることも重要だ」と語った。

  投資銀行とウェルスマネジメント業務の好業績で両行は損失を吸収することができたとも中銀は指摘した。両行は貸倒引当金を昨年大きく積み増していたほか、リスク加重の自己資本比率も世界の重要銀行の平均水準を超えているという。

  ただ、スイス政府は今月、両行に対する現行の流動性要件は緊急の事態に備えるのに十分ではないとの見方を示しており、財務省や中銀、金融市場監督機関FINMAなどから成る作業部会が要件見直しのために設置された。

  マクロ経済のリスクでは、米国がリセッションに陥った場合、損失可能性は最も大きくなると予想し、影響が金融システムを通じて波及すると分析した。

  その上で、「アルケゴスの事例が示すように、マクロ経済や金融システム全体のショックが生じなくても大きな損失は発生し得る」と論じ、クレディ・スイスとUBSが「十分な耐性を持つことを確実にするために、大きすぎてつぶせない銀行向けの資本要件が必要であることは明らかだ」と結論付けた。 

 

原題:Credit Suisse, UBS Loss Potential Is ‘Substantial,’ SNB Says (2)(抜粋)

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