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Photographer: Paul Yeung/Bloomberg
cojp

30%昇給も効果なし、アジアのジュニアバンカー流出に歯止めかからず

  • アジアでジュニアバンカーの離職率が過去数年の平均のほぼ倍に加速
  • 成長著しいアジアで業務拡大を目指す金融機関の計画が脅かされる

世界の大手証券会社と銀行は報酬を引き上げ、より速いペースの昇進を約束しているにもかかわらず、アジアで投資銀行のジュニアバンカーの引き留めに苦労し、成長著しいアジアで業務拡大を目指す計画が脅かされる事態となっている。

  ニューヨークやロンドンでも業界の「倒れるまで働き続ける」文化に対するアナリストやアソシエイトの反発が起きているが、採用担当者や幹部によると、ある意味でアジアの方が人材流出に歯止めをかけることが難しいという。

  アジアの主要拠点の方が若手社員が流出しやすいのは、上り調子の経済と資産急増の恩恵を得ようと急成長するフィンテック企業や投資会社の一つに就職すれば、より多くの収入を手にし、より速く出世できると考えているためだ。この問題は中国と香港で特に深刻だ。中国の金融の対外開放を好機と捉える外国勢が採用を強化しており、地元のスタートアップも加わり人材獲得競争が過熱している。

  JPモルガン・チェースの中国部門の最高経営責任者(CEO)マーク・レオン氏は、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「業界全体がかなり大きな需給の問題に直面しており、これが直ちに緩和されるとは思わない」と語った。同行やゴールドマン・サックス・グループクレディ・スイス・グループHSBCホールディングスは、中国で攻勢をかけるために多数の人材採用に動いている。

 グローバル証券会社4社の幹部を対象にブルームバーグ・ニュースが実施した非公式調査の結果によれば、投資銀行のアナリストとアソシエイトの13-15%程度が今年に入り辞めた。これは過去数年の平均のほぼ倍の数字だ。人材あっせん会社の幹部によると、米国の推計値に近く、英国より多い。

  グループないしアジア地域を統括する複数の幹部が匿名を条件に語ったところでは、テクノロジーやヘルスケアのような需要のあるセクターをカバーする香港在勤バンカーは2019年から年25-30%昇給しているにもかかわらず、人材流出が加速しているという。

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原題:
Even 30% Pay Raises Can’t Stop the Junior Banker Exodus in Asia(抜粋)

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