米ロ首脳会談、関係改善に明確な展望とバイデン氏-人権問題では対立
Jennifer Jacobs、Nick Wadhams-
ナワリヌイ氏らロシア国内の人権問題突き付けた-バイデン大統領
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米ロは大使を相手国の首都に戻す-記者会見でプーチン大統領

ロシアのプーチン大統領とバイデン米大統領
Photographer: Peter Klaunzer/AFP/Getty Images1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。
バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は16日、ジュネーブで初めて会談した。バイデン氏は、会談ではロシア国内の人権侵害をプーチン氏に突き付けたと明らかにし、収監されているロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏や米国人2人についても取り上げたと語った。
バイデン氏は会談後の記者会見で「プーチン氏に今回指摘したような人権侵害について黙っているなら、米国の大統領でいられるだろうか」と発言。「だからこそ、ナワリヌイ氏のような事件には懸念の声を上げていく」と続けた。
米ロの緊張がここ数年で最も高まっていることは両首脳とも認めており、会談は緊張緩和を図る目的だった。両国の政府当局者は会談が4時間を超える可能性があると予想していたが、ホワイトハウスによると、途中の休憩を除き約2時間38分で終了した。
バイデン氏は会談中に脅しはなかったとした上で、米ロ関係が改善する明確な展望があると表明。米国の価値観を捨てることなくロシアとの関係を改善させることは可能だとも述べた。

プーチン大統領とバイデン大統領(ジュネーブ 16日)
プーチン氏はバイデン氏とは別に開いた記者会見で、それぞれの大使を相手国の首都に帰任させると発表。バイデン氏が軍縮とサイバーセキュリティー、外交関係について協議を継続することで合意したとも明らかにした。
プーチン氏は首脳会談後の記者会見で、「それぞれの大使が職務に戻ることでわれわれは合意した」と通訳を介して発言。「帰任時期についてはあすかあさってか、単に技術的な問題だ。ロシア外務省と米国務省が協議を開始することで一致した」と付け加えた。
両国関係が悪化する中で、ロシアはアントノフ駐米大使を召還。その後、緊張がくすぶる中でサリバン駐ロシア大使が米国に帰国した。
プーチン氏は今回の会談を「全体として生産的で本質的、具体的なもので、結果を得ようとする雰囲気の中で行われた。最も重要なのは、信頼の兆しがわずかに見られたことだ」と評価。双方とも重要な問題について互いのレッドライン(越えられない一線)を理解していたと語った。
原題:Putin Says U.S. and Russia Will Return Ambassadors After Summit(抜粋)
Biden Says He Confronted Putin on Navalny, Human Rights(抜粋)
Biden Sees Genuine Prospect to Improve Russia Relations(抜粋)