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EU、初の「復興債」で200億ユーロ調達-需要旺盛で当初予想の2倍

更新日時
  • 格付け「AAA」の10年物NGEU債に1420億ユーロ余りの需要
  • 発行業務からJPモルガン、シティ、野村など10社除外-過去の違反で

欧州連合(EU)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復を支える「復興債」の初の発行で200億ユーロ(約2兆6700億円)を調達する。「ネクストジェネレーションEU(NGEU)」プログラムのための高格付けの10年債に対して、旺盛な需要が集まった。

  発行規模はダンスケ銀行とABNアムロの予想のほぼ2倍に上った。EUは年内に約800億ユーロ相当のNGEU債発行を計画している。今回の注文は1420億ユーロ余りと、昨年に「緊急時失業リスク緩和支援(SURE)」プログラム向け10年物ソーシャルボンド(社会貢献債)を発行した際の1450億ユーロに迫った。

  EUは今後数年間で巨額のNGEU債発行を計画しており、発行開始が待たれていた。パンデミック前にはEU共同債の発行は域内の富裕国が強く反対し、ほぼ不可能だった。

  

Ten-year EU social bond yields have climbed but remain below 0%

  欧州委員会のハーン委員(予算・管理担当)は、7月末までにシンジケート団を通じてさらに2回の大規模な発行を計画しており、6月と7月に行う公算が大きいと発言。旺盛な需要が集まった今回の発行の成功を歓迎した上で、NGEU債の3分の1程度を占める予定のグリーンボンド(環境債)はこの秋に発行が開始されると記者団に述べた。

  EUはこれまでのシンジケート方式ではなく入札による発行も予定しているほか、短期証券も発行し、イールドカーブ全体をカバーする発行体になる計画。

  欧州安定化メカニズム(ESM)のマネジングディレクター、クラウス・レグリング氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「国際金融市場の投資家はこれらの債券が欧州から発行されることを喜んでいる」と話した。

  今回のNGEU債発行の主幹事はダンスケ銀行とサンタンデール銀行で、ブックランナーはBNPパリバ、HSBCホールディングス、モルガン・スタンレーなどが務めた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が事情に詳しい関係者の話を基に報じたところによると、JPモルガン・チェースやシティグループ、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、野村など10社は過去の競争法違反を理由に今回の発行に関する業務から除外された。

EU、JPモルガンなど10社を復興債のシンジケート団から除外-報道

  EUが14日に注文受け付けを開始した際、複数の銀行が割安な条件設定を指摘した。発行体はしばしば、投資家を引き付けるために新発債で割安な条件を提示する。利率はミッドスワップを2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回る水準で決まり、14日に当初提示された条件から引き下げられた。

EU、初の「復興債」需要調査を開始-5年で8000億ユーロ計画

原題:EU to Raise Record $24 Billion From Debut Bonds to Fund Recovery、EU Plans Two Big Bond Syndications by End of July, Hahn Says(抜粋)

(発行の幹事社や除外された金融機関、ハーン欧州委員の発言などを加え更新します)
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