コンテンツにスキップする

米金融当局、債券購入テーパリングで予備的な議論開始も-FOMCで

  • 実際の行動は何カ月も先であっても異例の緩和策縮小は困難な道筋に
  • 当局にはウォール街や議会との関係正常化も必要-イングリッシュ氏

米金融当局者は15、16両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で債券購入のテーパリング(段階的縮小)について予備的な議論を始める可能性がある。

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長ら当局者が実際にその方向に進むのはまだ何カ月も先となりそうだが、金融当局による異例の緩和策に慣れたウォール街や議会などをその状態から引きはがすのは容易でない。

関連記事
Fed Officials Saw Bond-Buying Pace Continuing For 'Some Time'

ワシントンのFRB本部

Photographer: Samuel Corum/Bloomberg

  新型コロナウイルス禍の打撃に見舞われた米経済を支えるため、金融当局が過去1年3カ月に買い入れた米国債は計2兆5000億ドル(約275兆円)余りと、この期間の連邦政府赤字の半分強を実質的にカバーした計算となる。

  金融当局はこの他に住宅ローン担保証券(MBS)計8700億ドル前後を購入しており、金融市場は流動性が潤沢に供給され、株価は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で付けた安値から2倍の水準に回復した。

U.S. stocks have surged as the Federal Reserve purchases bonds

  元イングランド銀行(英中央銀行)当局者のチャールズ・グッドハート氏は、米金融当局が直面する課題について、「ナイフの刃のようにとがった尾根をはって進むようなものだ」と指摘。「小出しにし過ぎればインフレ加速が続くだけである一方、行き過ぎれば金融危機やリセッション(景気後退)に陥りかねない」と語った。    

Price Pressures Heat Up

U.S. core and headline inflation both increased more than forecast in May

Source: Bureau of Labor Statistics, Bloomberg survey

  前FRB調査統計局長で、現在はピーターソン国際経済研究所のシニアフェローを務めるデービッド・ウィルコックス氏は、インフレ目標未達が何年も続いたのを背景に、金融当局は緩和策縮小に「辛抱し過ぎるぐらい辛抱する」だろうと予想する。

  また、2013年当時、FRB理事だったパウエル氏らの働き掛けを受け、バーナンキ議長が量的緩和(QE)の段階的縮小の可能性に言及しただけで、テーパータントラムと呼ばれる金融市場の動揺を招いた経緯もあり、来年2月の任期切れを控えて続投の可能性も視野に入るパウエル議長には、こうした混乱の再現を避けたいインセンティブがさらに作用すると考えられる。

  元FRB当局者で現在はエール大学経営大学院教授のウィリアム・イングリッシュ氏は、政府の借り入れコスト増加につながることから、金融当局が資産購入を終了させて利上げするのは政治的に難しくなるだろうと話す。

  イングリッシュ氏は「金融当局が利上げして予算編成を巡る議会の選択が著しく困難になれば、当局は多くの批判にさらされるだろう」と述べた上で、「ある程度、金融当局は政策を正常化すると同時に、政府との関係も正常化する必要がある」との見方を示した。

原題:Fed Poised to Crawl Onto ‘Knife Edge’ to Rein In Record Largesse  (抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE