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Photographer: Alex Kraus/Bloomberg
cojp

EU、初の「復興債」需要調査を開始-5年で8000億ユーロ計画

更新日時
  • EU、復興プログラムの資金を調達し加盟国に補助金・融資提供へ
  • 8月の夏季休暇前にシンジケート団を通じ3回発行する予定

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欧州連合(EU)は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの経済復興を支えるための債券発行計画で、その第一弾について投資家の需要調査を開始した。この「復興債」をEUは5年間で約8000億ユーロ(約106兆7000億円)相当発行する。

EU、復興基金の資金調達計画を発表-8060億ユーロの債券発行へ

  EUは「ネクストジェネレーションEU(NGEU)」プログラムの下で加盟各国に補助金および融資として復興資金を提供する。その資金を調達するため、まず10年債を発行する。8月の夏季休暇時期に入る前にシンジケート団を通じて3回、NGEU債を発行するとEUは先週の投資家との電話会議で明らかにしていた。

EU、8月の夏季休暇前に「復興債」3回発行へ-シンジケート方式で

  欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は14日に公表されたインタビューで、NGEUプログラムは「欧州の未来を変える」と語っていた。

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、NGEU債の仮条件の利率はミッドスワップを1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度上回り、EUの既発債のカーブが示唆する水準よりも高い。条件は15日に決定される公算が大きい。

  レイナー・グンターマン氏らコメルツ銀のストラテジストは14日のリポートでNGEU債について、「まずまずの新規発行プレミアムと最近のスワップやフランス国債に比べた割安さで、初のNGEU債発行は成功するだろう。年内の発行計画の大きさを考えると」今回の発行規模は膨らみそうだとし、100億ユーロを超えるかもしれないとの見方を示した。

  昨年発行を開始した、より規模の小さい「緊急時失業リスク緩和支援(SURE)」プログラム向けのEUのソーシャルボンド(社会貢献債)は、今後の供給増への警戒感からアンダーパフォームしている。EUは今年だけでも長期債で1000億ユーロを調達する計画。10年物SURE債のドイツ国債に対するスプレッドは、昨年10月の発行以降の最大付近で取引されている。

  NGEU債のほぼ3分の1はグリーンボンド(環境債)となる計画だが、9月までに予定される枠組みの公表を待って、発行が開始される。

  経済再開とインフレ加速見通しでユーロ圏の債券利回りはここ数カ月に上昇しSURE債の魅力を低めているが、NGEU債はその発行規模から長期的には米国債に並ぶ市場になると期待されている。域内のリスクゼロ資産であるドイツ国債は発行高が限られ、周辺国債はリスクフリーではない。

原題:EU Starts $1 Trillion Debt Plan That Will ‘Transform’ Europe (2)(抜粋)

(第4段落の仮条件を詳述して更新します。更新前の記事は原文の訂正に基づき仮条件について修正しています)
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