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ECB、緊急購入終了巡る相違が表面化-当局者発言に温度差

更新日時
  • PEPPが来年3月に終了するか議論するのは全く時期尚早-総裁
  • コロナの流行再発ない限りPEPPは予定通り終了-ホルツマン氏
ラガルド総裁

ラガルド総裁

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

欧州中央銀行(ECB)のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の終了時期や方法について、当局者間の見解の相違が表面化し始めた。

  ラガルド総裁は14日公表されたニュースサイト、ポリティコとのインタビューで、終了時期について協議するのは「全く時期尚早だ」と言明。一方、政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は同日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、新型コロナウイルスのひどい流行が再び起こらない限り、PEPPは予定通り2022年3月に終了するとの見解を示した。

ECBホルツマン氏、PEPP予定通り終了へ-コロナ禍収束続けば

オーストリア中銀のホルツマン総裁

Markets: European Open.” (Source: Bloomberg)

  ECBは危機の難しい時期に入りつつある。新型コロナ感染が減り、景気は力強い回復を開始しつつあるように見受けられる。一方で、企業と家計は依然として当局の支援に頼っている。ECBは必要な限り良好な調達環境を維持すると約束しており、市場金利上昇を引き起こすことを恐れて大半の当局者はPEPP終了について発言していない。

  ラガルド総裁は「回復を真に定着させなければならない」と発言し、上方修正されたECB経済見通しに言及。「われわれの経済予測とPEPPの設計が正しい方向を指し示しているように思われる」と述べつつ、PEPPの終了を「議論するのは全く時期尚早だ」と強調した。

  ECB政策委員会は先週、成長とインフレの予測を上方修正したものの、PEPPの高いペースでの購入維持を決めた。景気見通しへのリスクは現在「おおむね均衡」していると、2018年12月以来の楽観的認識を示した。

ECB、緊急購入の高ぺース維持-リスク認識は2018年以来の明るさ

The ECB has increased its bond-buying pace since March

  ECBの予測はインフレが今年加速するもののその後に低下すると見込んでおり、ラガルド総裁らは高インフレが定着すると考える根拠はないと論じてきた。ただ、クノット・オランダ中銀総裁とワイトマン・独連銀総裁は11日、インフレ率上昇に言及。ホルツマン氏は同日、インフレ率が3%を超えれば当局は行動を考える必要があると述べた。

ECB、インフレ率3%突破なら政策見直し必要-ホルツマン氏

New ECB Forecasts

Economic output and inflation predictions boosted for 2021 and 2022

Source: European Central Bank

  リトアニア中銀のシムカス総裁は、6月の経済予測のみに基づいて回復が根付いた度合いを判断するのは時期詳細だとの考えを示した。同総裁は14日、記者団に対し「9月の経済予測を待ってからPEPPの将来について議論したい」と語った。

  先週の政策決定前の調査でエコノミストらはPEPPについて、9月からの購入減速と来年3月の終了を予想していた。

  ECBの戦略見直しに関しては、ラガルド総裁は夏の終わりにかけて結論を出すことを望んでいるとしながらも、「夏の終わりになるか秋になるかは、見直しの質としっかりしたコンセンサスに比べれば重要でない」と述べた。

原題:ECB Sees Early Tensions Emerge Over Ending Crisis Stimulus (1)(抜粋)

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