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米国債弱気派、持ちこたえよ-JPモルガンやTDセキュリティーズ

  • JPモルガンとTDセキュリティーズは米10年債のショート勧める
  • モルガンSは今週のFOMCでのタカ派サプライズのリスク指摘

先週は米国債をショート(売り持ち)していた投資家の買い戻し(ショートスクイズ)によって10年物利回りが3カ月ぶり低水準となったが、ウォール街の各社は米国債が再び売られる多くの理由があるとみている。

  JPモルガン・チェースのストラテジストらは16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)決定を控えて10年物米国債に弱気に転じ、市場が織り込む利上げ予想は消極的過ぎるとの見方を示した。モルガン・スタンレーのストラテジストらはFOMCからのタカ派サプライズリスクを指摘し、TDセキュリティーズも米国債の「戦術的ショート」を勧めている。

  JPモルガンのジェイ・バリー氏らストラテジストは 「割高な価格と織り込まれている利上げ予想の小ささから10年物米国債に対して弱気だ。振り子は今四半期中に逆側に振れ、米国債は超割安から超割高に転じた」と指摘した。

10-year Treasury yields have fallen to test key technical resistance

  FOMCが超緩和的政策維持を再確認し債券購入漸減(テーパリング)の議論開始は時期尚早と繰り返すことを予想し、投資家はここ数週間、ショートポジションを減らしてきた。一方で、ブルームバーグが実施したエコノミスト調査では、成長とインフレ加速を受けて当局者らが2023年の利上げ開始を想定している可能性があるとの見方が示された。スワップ市場は同年4月の利上げ開始を織り込んでいる。 

  10年物米国債利回りはアジア時間14日の取引で若干上昇し約1.46%。11日は3月以来の低水準を付けた。

  JPモルガンのストラテジストによると、市場の利上げ予想はFOMCメンバーの想定よりはタカ派的なものの、今後4年について織り込んでいる利上げ幅は1ポイント足らずにすぎない。つまり、市場は比較的緩やかなペースでの正常化を見込んでいるということだとストラテジストらは指摘する。

  TDセキュリティーズのプリヤ・ミスラ氏らストラテジストはリポートで、FOMCメンバーの金利予想分布図(ドット・プロット)で2023年の中央値がこれまでのものよりも高くなる可能性を指摘。これは市場を驚かせる公算が大きいため、10年債利回りは1.70%の水準に再上昇すると予想した。

Dot Watch

FOMC median dots show slow hiking path but higher long-term rates

Source: Bloomberg

  先週発表の米消費者物価指数が予想を上回った後も米国債利回りが上昇したことは、投資家がインフレを一時的なものとして無視していることを意味するが、持続すると想定すべき根拠はあると、モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者、グニート・ディングラ氏は指摘。

  同氏は11日のリポートで「一時的から持続的へというインフレ指標の変化を考えると、FOMCがタカ派に傾斜するリスクは高くなっている。市場はタカ派サプライズのリスクにさらされている」と分析した。

原題:JPMorgan, TD Securities Urge Treasuries Bears to Hold Firm (2)(抜粋)

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