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日銀、国債市場機能改善へ現時点では追加措置不要との見方-関係者

更新日時
  • 3月の政策調整、長期金利の自律的な変動が促される-関係者
  • 国債買い入れ方針でボラティリティー高める意図ない-関係者

日本銀行は、国債市場の機能改善のために買い入れオペなどで追加措置を講じる必要は、現時点ではないとみている。事情に詳しい複数の関係者が語った。  

  関係者によれば、日銀は3月に実施した長期金利(10年物国債金利)の変動幅の明確化後、金利に大きな動きがないのは外部環境の変化が乏しいためと分析。足元の金利低下も米金利動向と整合的で、変動幅の明確化に伴う市場機能の改善効果を判断するのは時期尚早と考えている。

  3月の政策調整により透明性が高まったことで、イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)の下での買い入れオペに対する市場の過度な反応が抑制され、外部環境の変化に応じた長期金利の自律的な変動が促されるとみている。変動幅から逸脱するような動きには、対応する用意がある。

  毎月末に公表する翌月の国債買い入れ方針において購入予定額を変更する場合でも、主な狙いは需給の調整で、市場のボラティリティー(変動率)を高める意図はないという。

  日銀は3月の金融政策決定会合で政策点検を行い、国債金利のより柔軟な変動を目的に、YCC政策における長期金利の変動許容幅をゼロ%中心に上下0.25%程度と明確化した。その後の長期金利は、インフレ懸念を背景に上昇していた米金利の落ち着きとともにむしろ変動幅が狭まっている。

日米の長期金利の推移

  黒田東彦総裁は4月会合後の会見で、長期金利動向に関して「日本銀行が意図的に変動させることはない」とし、国債の購入は「長期金利が変動幅の上限または下限を超える恐れがある場合以外は、買い入れ額を調整しない」と発言。毎月の買い入れ予定額を、原則として月中には変更しない考えを表明した。

  ブルームバーグが4-9日にエコノミスト44人を対象に行った調査では、半数が債券市場の機能度改善に向けて日銀による追加の対応が必要と回答した。市場では、国債買い入れオペの一段の減額など金融調節上の一層の工夫を求める声も出ている。

  17日、18日に開かれる決定会合では、9月末に期限を迎える新型コロナウイルス対応の資金繰り支援特別プログラムの取り扱いが議論になる見通し。関係者によると、6カ月程度の延長が有力視されているが、6月調査の全国企業短期経済観測調査(短観)などを踏まえて7月会合で判断しても遅くはないとの声もある。

  同プログラムはコマーシャルペーパー(CP)・社債の増額買い入れと金融機関に対する低利の貸付制度で構成されている。黒田総裁は5月27日のブルームバーグとのインタビューで、「当然感染症の影響を踏まえ、必要と判断すれば、さらなる延長も検討する」と述べている。

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(コロナ対応プログラムの詳細を追加しました)
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