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国内生保に米社債などを積み増す動き-日本生命の残高は10兆円が視野

  • 日本生命や住友生命は米社債などクレジット外債の残高が過去最高へ
  • 運用資産全体の収益向上には米10年債2%では満足できず-日本生命

国内生命保険大手で、米国の社債やモーゲージ債といったクレジット外債を積み増す動きが出ている。日本生命保険の保有残高は過去最高となる10兆円の大台が視野に入ってきた。

  日本生命の上田泰三国際投資部長はブルームバーグの取材に対して「低金利の国内債も含めた運用資産全体で必要な収益を確保するには、外債では米国債の2%程度で満足するわけにはいかず、クレジット物を中心に利回りを取っていく」と述べた。

  今年度の米長期金利が2%前後までしか上がらないとみる生保は、信用リスクの対価として国債より高い利回りを得られる米社債などへの投資を積極的に拡大していく方針だ。

米国の長期金利と適格級社債利回りの推移

  日本生命が保有する一般勘定のクレジット外債は3月末時点で過去最高の8.8兆円。昨年度に約1.1兆円増え、債券・株式を合わせた外国証券の保有残高の4割強を占めている。

  住友生命保険もクレジット外債の保有残高が過去最高を更新する可能性が高い。住友生命は3月末時点で約10.5兆円に上る外債保有残高の4割程度がクレジット物だ。

  住友生命の藤村俊雄運用企画部長は「米国債は10年物が2%で為替ヘッジコストが足元の水準ならヘッジ後で1%台半ばから同後半の利回りを得られるが、米国の利上げが始めるとヘッジコストが上昇してヘッジ後の利回りがマイナスになる可能性がかなりある」と述べた。より利回りの高い外債が必要だと説明した。

  明治安田生命保険運用企画部の岡村正仁グループマネジャーは、外債投資では金利のデュレーション(平均年限)、モーゲージ債の早期償還、信用リスク次第で機動的に動くと説明する。「米金利があまり大きく動かなければ、モーゲージ債はスプレッド(上乗せ金利)が取れる分、米国債より有利になる」と指摘した。

  日本生命、第一生命保険、明治安田生命、住友生命は米インフレ率の上昇が長続きしないとみている。各社は急激な金利上昇に伴う保有外債の評価損を回避するための米債先物の売り建てや固定払い・変動受けの金利スワップなどは基本的には活用しない方針だ。

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