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Photographer: Photonews/Photonews
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G7首脳宣言、途上国へのワクチン10億回分提供やインフラ支援を表明

更新日時
  • 香港と新疆での人権問題で中国名指し、台湾海峡に初めて言及
  • 東京五輪「安全・安心な形での開催をあらためて支持」と明記

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英南西部コーンウォールで3日間開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)は13日、首脳宣言を採択し閉幕した。向こう1年間に少なくとも10億回分の新型コロナウイルスワクチンを途上国に提供することや、コロナ禍からの回復過程で途上国にインフラ支援を行う新たな枠組みなどが盛り込まれた。

  また宣言は「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」と台湾海峡の問題に初めて言及した。東京五輪・パラリンピックについては、「新型コロナ感染症(COVID19)に打ち勝つ世界的な団結の象徴として安全・安心な形での開催をあらためて支持する」とした。

  トランプ前米政権時代には首脳宣言の取りまとめが見送られるケースもあったが、今回の宣言でG7は協調の再生に取り組んだ。

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G7首脳ら(6月11日)

  サミットでは、中国に対してどの程度直接的な文言を用いるかを巡り非公開の場で活発な議論が行われた。特に中国の広域経済圏構想「一帯一路」に対抗するインフラ計画を具体化する作業部会を巡り、活発なやりとりがあった。首脳宣言は、香港と新疆ウイグル自治区について中国を名指しして人権尊重などを求めたものの、強制労働を巡っては同国への言及を避けた。

  G7首脳は「不安定化を招く行動」を取っているとしてロシアを非難することで合意。同国内から身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」での攻撃を仕掛けるハッカーへの対処を求めた。バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は16日にスイスのジュネーブで会談する。

  早い段階での草案には、2030年までに新車販売全体の半数を温室効果ガスの排出量実質ゼロの車に移行させるとの内容が盛り込まれていたものの、首脳宣言では削除された。ワクチンのための新規資金拠出と気候変動問題については期待に十分達しなかった。

  東京五輪・パラリンピックに関して菅義偉首相は13日、記者団に対し、感染対策の徹底と安全・安心の大会について首脳らに説明を行ったとした上で、「全首脳から大変力強い支持をいただいた」と言明。その上で、「東京大会を何としても成功させなければならない」との思いの中で、「しっかりと開会し成功に導かねばならない」との決意を新たにしたと述べた。

  テーマ別の合意・議論内容は次の通り。

新型コロナ

  G7は来年のパンデミック(世界的大流行)終息を目標に設定。目標達成には世界人口の少なくとも60%のワクチン接種が必要だとした。首脳宣言はパンデミックの始まり以来、G7が提供するワクチンは総計20億回分を超えることになるとし、今年1年間では7億回分となると説明した。

中国

  協議内容に詳しい当局者によると、G7は中国に対し、気候変動などの問題では協調する一方で貿易やサプライチェーンに関しては競合し、人権問題では異議を唱える3本柱のアプローチを採用することで一致した。宣言は東シナ海と南シナ海の状況に懸念を表明。この海域の「現状を変え、緊張を高めようとする一方的な取り組み」に反対するとした。

  このほか、中国の「一帯一路」への対抗軸として、温暖化問題に配慮しながら途上国のインフラ整備を支援するため、作業部会を設置して秋に提案を報告させることにした。

気候変動

  G7は輸送セクターの脱炭素化と、温室効果ガスを排出しない車への移行加速を明言したものの、宣言には目標期日は盛り込まれなかった。

税制

  G7首脳は法人税の国際的な最低税率など財務相会合での合意事項を支持した。今後は20カ国・地域(G20)会合の場で議論が行われ、最終的には経済協力開発機構(OECD)の主導の下、約140カ国・地域の合意が必要になる。

原題:G-7 Commits to 1 Billion Extra Covid Shots in Final Communique(抜粋)

(首脳宣言の内容を加えて更新します)
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