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パウエル議長、物価上昇は一時的との議論で投資家の説得に成功か

  • 5月の消費者物価が08年以来の大幅上昇も、10年債利回りは低下
  • 金融当局は市場を「ゆがめている」とドラッケンミラー氏は批判

米消費者物価の現在の上昇は持続的なものではないとする議論で、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長ら金融当局者は、投資家を納得させることに成功しつつある様子だ。

  10日発表された5月の消費者物価指数は前年同月比5%上昇と、2008年以来の大幅な伸びとなったが、米10年債利回りは最終的に3カ月ぶり低水準の1.43%前後に低下した。また、インフレ見通しの指標とされるブレークイーブン・レートも上昇したものの、5月に付けた年初来の高水準を大幅に下回ったままだ。

Decoupling

As consumer-price inflation surged in recent months, U.S. government bond yields haven't followed

Source: Bureau of Labor Statistics, Bloomberg

  市場のこうした楽観的な反応は、連邦公開市場委員会(FOMC)を15、16両日に控えた金融当局にとって恐らく歓迎すべきニュースだろう。当局者は現行の金融政策が物価の大幅で持続的な上振れにつながる可能性は小さいとしており、来週のFOMCでも最大限の雇用と2%のインフレ目標の達成に向けて超緩和的なスタンスを維持すると広く予想されている。

  ノーザン・トラスト・アセット・マネジメントの短期債ディレクター兼クレジット調査責任者、ピーター・イ氏は「金融当局がやってきたことで最も効果的で良かったのは、物価上昇は一過性のものだという説明でぶれなかったことだ」と指摘した。

  5月の物価上昇の主因が中古車や家庭用品、航空運賃、衣料品などの値上がりといった経済活動再開に伴う供給や需要のゆがみである点も、金融当局の見解を補強している。

  一方、インフレ見通しを語る上で、金融当局者は期待の重要性を強調してきた。このため、金融市場に大幅な物価上昇を懸念する兆候がないことは安心感を与えるものであるのは疑う余地がない。

  だがそれにも限度がある。債券相場はトレーダーのポジション設定や流動性などにも影響される。たとえ投資家の間の期待であっても、相場はそれを完全に明白に反映したものではないと当局者は十分認識している。

  恐らく特にそれを実感しているのはパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)でグローバル戦略アドバイザーを務めた経歴を持つクラリダFRB副議長だろう。クラリダ氏が「大ファン」だと公言するのはFRBスタッフが開発したインフレ期待の新たな指数だ。

  資産家のスタンリー・ドラッケンミラー氏は10日、CNBCのテレビ番組に宛てた電子メールで、5月の消費者物価について「市場は現在、何も物語っていない」とコメントし、金融当局の緩和策が資産価格をゆがめ、投資家に誤った安心感を抱かせているとの考えを示した

Frontloaded

Economists have hiked their inflation forecasts for 2021, but expectations for inflation further down the road haven't changed as much

Source: Bloomberg

Note: End-year forecasts for 2021 and 2022 are median of Bloomberg economist surveys. Market expectation based on breakeven rate.

原題:Powell Gets Wall Street Buy-In to View That Inflation Won’t LastPowell Gets Wall Street Buy-In to View That Inflation Won’t Last(抜粋)

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