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ゼロエミ火力目指すJERA、トランジション債での資金調達を検討

  • 21年度にも数百億円規模での発行検討、アンモニア混焼事業に投資
  • 初の外貨建て社債も視野、今年度に海外投資で大型案件の公算も

国内火力発電最大手のJERA(ジェラ)は2021年度中にも、脱炭素化への移行を資金使途とするトランジションボンドで数百億円規模を調達する意向だ。二酸化炭素(CO2)が出ないゼロエミッションを掲げ、火力発電での環境技術への投資を進める。

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酒入和男常務執行役員

Source: Jera Co.

  東京電力ホールディングスと中部電力が共同出資するJERAの酒入和男常務執行役員・財務・経理本部長は8日のインタビューで、火力発電所で燃焼時にCO2を出さないアンモニアを石炭に混ぜるアンモニア混焼事業での投資のため「今年度または来年度を目標に」資金調達する考えを示した。

  国内ではトランジションボンドの発行実績はまだない。金融庁と経済産業省、環境省が5月に「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」をまとめ、資金調達の際に企業が参照できる産業分野別のロードマップ策定に入ったところだ。

  JERAのアンモニア混焼事業は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行っているアンモニア混焼技術の実証研究の助成事業に採択されており、まず愛知県の碧南火力発電所で実証実験を開始する。

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碧南火力発電所

Source: Jera Co.

  JERAはアンモニア混焼事業を含むトランジションへの取り組みについて、経済産業省が公募を始めたクライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業に応募する方針だ。酒入氏はトランジションボンドの具体的な発行額は、こうした準備が「整ってきたところで決めたい」と説明した。公募は22年1月14日まで。

  長期的にはより多くの発電所で混焼事業を実施し、アンモニア専焼の発電所をつくることも「考えていきたい」と酒入氏。そのための投資でもトランジションファイナンスを利用していく。資金の多様化や投資家層の拡大も重視し、サステナビリティー・リンク・ボンドなどのESG(環境、社会、企業統治)債は「基本的には全て検討していきたい」と語った。

ドル建て社債

  酒入氏は「外貨建ての投資がこれからかなり膨らむ」とし、海外投資に関してはドルで調達して為替リスクのヘッジを進める考えだ。このため、今年度から「外貨建ての社債による調達も視野に入れて検討している」。

  投資対象は再生可能エネルギー事業や燃料調達から発電までを一体で開発するアジア域内のプロジェクトなど。海外企業への出資や企業の合併・買収(M&A)など「いろいろと経営サイドでは検討している」といい、今年度に海外投資で「大きいもの」が1つ発生する可能性があることを明らかにした。

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