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日本株投資家が強気転換も、ワクチン接種率が節目の10%突破

  • 欧米株価指数は10%超えで上昇トレンド入り、日本も追随か-大和証
  • 6月中旬以降は1日100万回接種の体制が可能と菅首相

株式投資家にとって、はっきりしない東京五輪の行方よりも、海外より遅れている日本での新型コロナウイルスのワクチン接種状況に注目が集まっている。

  大和証券クオンツアナリストである目野博之氏と橋本純一氏は5月31日付メモで「世界各国の株価指数の騰落率とワクチン接種率との間の関係性は強く、ワクチン接種率(接種回数÷人口)が10%を超えると相場が堅調となる傾向を示した」と指摘している。

  政府によると、1日時点で総接種回数は約1400万回で接種率は10%を上回った。2日の東京株式市場では、経済活動再開で正常化が期待される陸運や空運の上昇率が高く、TOPIXは前日比0.8%高となった。大和証券のアナリストは、「日本でもワクチン接種の進展で経済再開期待が高まることで、目先の日本株は米国株をキャッチアップする相場が期待される」と記している。

接種スピードが加速

2月の先行接種開始以降、足下では加速傾向に

出所:ブルームバーグ、ジョンズ・ホプキンス大学

注記:7日間平均の接種データを使用

  大和証によると、米S&P500指数や英FTSE100指数、独DAX指数はいずれもワクチン接種率が10%を超えた近辺で上昇トレンドに入った。2日時点で年初来からS&P500指数は12%上昇、FTSE100指数とDAX指数も1割程度上昇した。一方、TOPIXは7.6%高でワクチン接種と同様に追いかける格好だ。

  三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、「この1カ月でなかなか進まなかった状態からずいぶん進み、このまま加速すれば9-10月にはかなり様子が変わるだろう」と話す。

  SMBC日興証券のエコノミストも10%の節目に注目している。関口直人氏と牧野潤一氏はメモで、「ワクチン接種が先行している米国では、接種率が10%に達した2月頃からサービス消費の回復が目立った」と指摘。日本もワクチン接種が加速することで、「緊急事態宣言解除後にサービス消費が急速に挽回する可能性がある」とみている。

  もっとも、シティグループ証券では、現在の速度では不十分で上昇を維持するためにはさらなる改善が必要だと分析。5月30日付メモで、「ワクチン接種数が今後も順調に伸び、欧州レベルに追いつけば、ワクチン主導の株式市場の上昇は続く可能性が高い」と指摘する。株価上昇は、政府が現在のワクチン接種の加速ペースを維持できるかにかかっている。菅義偉首相は6月中旬以降は1日100万回接種の体制ができるとしている。

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