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2%物価目標実現、岩盤のような物価観変える必要-安達日銀委員

更新日時
  • 長期戦を想定せざるを得ない、ポストコロナは大きなチャンス
  • 外的ショックで日本経済大きく下押しなら、躊躇なく追加緩和

日本銀行の安達誠司審議委員は2日、2%の物価安定目標の実現には「岩盤とでも言えそうな物価観を変えていく必要がある」との見解を示した。オンライン形式で行われた静岡県金融経済懇談会で講演した。

  安達氏は、3月の金融政策決定会合で行った金融緩和策の点検で、日本の物価は「過去の慣習や実績などで定まる物価観のようなものに影響される側面が非常に強いことが改めて確認された」と語った。その上で、物価目標の実現には「長期戦を覚悟せざるを得ない」との見方を示した。

  企業や家計の物価観を上方修正させていくには、期待成長率の持続的な上昇が前提になると説明。政策点検を踏まえて見直された金融緩和策を粘り強く続けることで、物価目標は実現可能との認識も示した。

  4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年同月比0.1%低下と、携帯電話通信料の値下げの影響などで低下幅は4カ月ぶりに拡大した。日銀の経済・物価情勢の展望(展望リポート)によると、2023年度でも1.0%上昇と同年4月の黒田東彦総裁の任期満了までに2%目標は達成できない見通しだ。

  感染症との共存が避けられない情勢の下で、飲食・宿泊など対面型サービス業で感染抑制にコストをかけ続ける必要性が生じたり、高齢化の進行に伴って高付加価値の財・サービスが個人消費をけん引したりする可能性があると指摘。ポストコロナは「2%の物価安定の目標を実現する大きなチャンスになるかもしれない」と述べた。

  金融政策運営に関しては、外的ショックなどで日本経済に大きな下押し圧力がかかる場合には「躊躇(ちゅうちょ)なく追加的な金融緩和措置を講じる必要がある」と改めて表明。9月末に期限を迎える新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの取り扱いについては、「今後の企業金融の動向を慎重に見極めながら、議論を深めていく必要がある」と語った。

(詳細を追加して更新しました)
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